先日、「ビワを食べると…」という中学生が受診されました。
果物や野菜でアレルギー症状が見られる場合は、口腔アレルギー症候群のことが多いようです。つまり、食べると、口の中がイガイガしたり、違和感を覚えたり、唇が腫れたりという症状がみられます。
今回は、たまに見かけるのですが、ビワが原因でした。ビワはアレルギー採血の項目がないために、「調べられない」なんて言われることが多いと思います。
それは、残念ながら非専門医が言う言葉です。ビワそのものを持ってきてもらえば、それを小針で刺し、針先にビワの果汁をつけた状態で、患児の腕に小傷をつけると、アレルギーがある場合、そこが大きく腫れるのです。
この手法を用いれば、何でも検査できることになります。簡単な検査なのですが、専門医は用いるけれど、専門でない医師はまずやっていません。とても不思議に思っています。
まあ、面倒なことは「やっていない」、「できない」などと言えば、患者さんは引き下がるので、手間のかかることは避けて通ることができる訳です。専門医に紹介してくれればいいのですが、そんな経験はほとんどありません。
今回のビワでは、大きく腫れました。それをもって、ビワによる口腔アレルギー症候群と診断しました。
正しく診断されなければ、患者さんは不安だし、どうしていいか分かりません。逆に今回はちゃんとした根拠を持って診断され、適切な対応を知ることができました。
専門医にかかって、正しい指導を受けることは、患者さんにも、学校側にも有効なことだろうと考えています。