先日も触れましたが、医者はみな、聖人君子ではありません。
聖人君子であれば、「医は仁術」という言葉はあっても、「医は算術」なんて揶揄する言葉は出てこないはずです。
きっと医師はみな高い志を持って医師になったのに、与えられた状況により、楽をするように徐々に変わっていったのだろうと思っています。
私がこんなことを言うのは、アレルギーという慢性疾患にチカラを入れているからです。風邪や胃腸炎などの急性疾患は、「短期勝負」です。要は、短い期間で決着がついてしまいますし、ほとんどが放っておいても治ります。
一方のアレルギーは、「長期勝負」です。症状を繰り返して悪化してしまうので、正しく診断して、症状を繰り返さないように止める必要があります。
にも関わらず、いつも言っている通り、ぜんそくを「風邪」、アトピー性皮膚炎を「乳児湿疹」と診断されるケースがかなり多くなっています。その結果、ぜんそくやアトピー性皮膚炎が治りづらくなってしまうと思います。
病気は治らない方が、何度も通ってくれて、医者は儲かることになります。多くの患者さんは「医者が間違うはずない」と信じていますし、医師の方も正しく診断したり、適切に治療する必要はありません。
“診療行為”を行なっただけで報酬が得られるシステムになっているので、今までのやり方を繰り返せば十分なのです。
私は、アレルギーを治すために、治りやすいはずの病気の初期段階で積極的に治療すべきと訴えています。その視点からすると、医師のやることの多くのケースが「誤診」をしていることになると考えています。私のやっていることが、まだ一般的にはなっていないからです。
多くの医師が、今の自分のやり方に満足しており、変える必要がないと考えているのだろうと思います。実際は、もっといい方法があるのに、取り入れようとしていないからです。
私はアレルギーに関して、この現状を変えたいと考えています。