先日、2ヶ月の赤ちゃんが新規受診されました。
診察室に入ってきたお母さんの顔を見て、ピンときました。下のお子さんが生まれたんですね。
湿疹が気になると受診してくれました。診察してみると、「確かにちょっとあるかね」って程の湿疹でした。
実は、上のお子さんは当院で診ていて、アトピー性皮膚炎があり、卵の負荷試験もしています。
お子さんがアレルギーで通院されている場合、お母さんのお腹が大きくなってくると、全員に対して「アトピー性皮膚炎の湿疹は早いと生後1ヶ月で出てくるので、注意してくださいね」と言っています。
要は、上の子と同じ轍は踏むまいと考え、アトピー性皮膚炎を早期に発見し、治療を開始し、食物アレルギーを防ごうとしているのです。
親御さんもその辺はちゃんと理解してくれて、早めに“湿疹”に対処していこうという思いのようです。ハッキリ言って、かなりの「意識高い系」だと思っています。
こんなことに取り組んでいる小児科医は、まだまだ少なく、全国平均はこんな感じでしょう。つまり、乳児湿疹と診断されて、中途半端な治療を繰り返され、離乳食を始めて、ある日突然卵アレルギーを発症。母は卵を与えるのが怖くて、なかなかあげられない。
そして、次の子を妊娠、出産。前の経験をまったく活かされることもなく、また乳児湿疹と診断され、経皮感作で食物アレルギーを発症…といった具合です。
ご家族は、かゆみの強い湿疹に悩まされ、卵などの食品を除去するよう毎日心掛けている。
申し訳ないけれど、当院の意識高い系の親御さんとは大きな差が生じています。かかりつけ医に悪気はないのでしょうが、アレルギーに関しては、意識が低すぎです。
ちなみに、これくらい早く対応すれば、食物アレルギーは大抵治ります。アトピー性皮膚炎もこじれないように皮膚を安定させていくので、相当落ち着いてきます。
世の中、意識高い系の親御さんやドクターに増えてもらいたいものだと思っています。