アナフィラキシー を起こした卵アレルギーの患者さんが二人いたとします。
仮にAくん、Bくんとしましょうか。Aくんは、卵を含むクッキーでアナフィラキシー を起こしたとします。
Bくんは、卵料理は時々食べています。ある日、温泉卵を食べて、アナフィラキシー を起こしてしまいました。
Aくん、Bくんともにじんましんが出て、息苦しさを感じたため、救急搬送され、搬送先の病院でアドレナリン注射を受けました。症状としては、同程度のアナフィラキシー だとします。
卵クッキーには、卵の含有量が少ないので、少量でアナフィラキシー を起こしてしまった訳ですから、Aくんはとても重症だということが分かります。
一方、Bくんは卵料理を時々食べています。今回は、加熱のあまい卵を食べてしまったために、アナフィラキシー を起こしてしまいました。
このBくん、もし卵1個分の卵料理を食べているのなら、定義上は卵アレルギーは治っていることになります。しかし、半熟卵はアレルギー症状を起こしやすいので、症状が引き起こされました。
Aくん、Bくんともに搬送先の病院でエピペンを処方され、卵はしばらく完全除去と指導されたとします。違和感を感じませんか?。
Aくんは、ほんのわずかの卵でアナフィラキシー を起こしてしまったので、除去はやむを得ないのかもしれません。一方のBくんは、定義上は卵アレルギーが治っているお子さんです。それなのに完全除去って…。
要は、生や半熟の卵を食べなければ、何ともないと思われます。だって、普段から卵料理を問題なく食べていたのですから。
ということで、同程度のアナフィラキシー であっても、除去すべきケースと、しなくていいケースがあるものと思われます。
特に専門でない医師は、とにかく「臭いものにはフタをしろ」という感じで、「食べるな」と言いたがります。食べなければ、症状は起こることはありませんから。
ちなみに、私の場合は、Aくんであっても何かしらを食べさせる努力をしますし、こういうケースはリスクを伴いますので、医師の目の前で負荷試験を実施すべきでしょう。
医師の指導に違和感を覚えたり、納得いかない場合は、ちゃんと専門医から指導してもらった方がいいのだろうと思っています。