小児科 すこやかアレルギークリニック

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関心
2021年08月17日 更新

夏季休暇を終わり、診療を再開しています。

当地はコロナはほとんどおらず、小児の間ではRSウィルスが流行していました。休み明けはどうかと思っていましたが、いまだRSウィルスは流行しているようです。

RSウィルスに関しては、時々“小言”を言っています。

多くの親御さんが「なぜうちの先生はRSウィルスを調べてくれないのだろう?」と疑問に感じているのだろうと思います。

簡単に言ってしまえば、保険診療で0歳は認められていますが、1歳以降になると医院が自腹を切ることになるので検査したがらないというのが実情です。

低年齢だと包括医療になることが多く、一人当たりの報酬が決まっています。これまでずっと検査をした方が、薬をいっぱい出した方が利益が上がっていたのを、定額にして医療費の無駄遣いを減らそうという意図からです。

こうなると、検査をしない方が利益が出るので、検査しないということになります。私はこれまでやるべきことをやって報酬を得てきたつもりですが、やるべきことをしないで利益を得ようとするのに、とても違和感を覚えます。

患者さんが困っているのに、検査しないって、そりゃないでしょうと思っています。

当院がRSウィルスを調べるのは、そういった気持ちからというのもありますが、もうひとつ大きな要因があります。医学的な関心です。

関心というと、興味本位でやっているのかと言われそうですが、こういうことです。

患者さんが熱が出て、咳が出て、入院の可能性もある。急に状態が悪くなり、ここまで悪化させる病気は何だろう?と思うのです。

ここでRSウィルスを調べると、その場で答え合わせができます。そうやって、「やっぱりRSか」とか、「RSだと思ったけど、違った」とか自分の経験や知見を深めることができるのです。

利益にならないから、検査をしないというのであれば、せっかくの経験の場を無駄にしてしまうことになると思います。

医者は、患者さんから育ててもらっている部分は大きいのが現実です。自分の興味でやったとして、それが患者さんにも正しい診断、適切な治療や指導を提供でき、、その子の通う園にも有益な情報を与えられるのであれば、それは「あり」だと思います。

特にクリニックは、個人経営。私自身も経営者の側面を持っている訳ですが、結局は経営者の方針でどうにでも変わるのが現状です。私は今の方針を選択していたいと思っています。