当院は、開院当初からぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーにこだわってきたつもりです。
これらの病気は、いわゆる「慢性疾患」であり、そう簡単に治るものではありません。タイトルに示した通り、治療方針は症状を起こさないように、安定した状態を続けることにあります。
そうすると、徐々に繰り返していた症状が起きづらくなり、症状が出なくなってきます。重いぜんそく患者さんの場合、発作を起こすたびに入院になってしまうために、吸入ステロイド薬を処方する医師は少なくありません。
入退院を繰り返す患者さんについては、吸入ステロイド薬をしっかり使うという認識が広まっているため、キチンと治療されていることが多いようです。
ただし、アトピー性皮膚炎となると話は大きく変わってきます。
まず診断が正しくないことが多いようです。つまり「乳児湿疹」などと診断され、病状に見合った治療がなされていないのです。ステロイド軟膏をちょっと塗っては塗るのをやめ、悪化したらまた塗っての繰り返し。
ぜんそくに例えれば、吸入ステロイド薬を開始したのだけれど、すぐにやめてしまうので、またぜんそく発作を起こし、結局は発作を繰り返すので、ぜんそく発作を遠ざけることができないという格好です。
ぜんそく発作を起こすクセが抜けないので、治療はしていないのとそうは変わりません。
世間で治療されているアレルギー疾患で、ぜんそくとアトピー性皮膚炎を比べると、圧倒的にアトピー性皮膚炎の方が適切な治療方針が取られていないのだと感じています。