先日、ある患者さんが初めて受診されました。
アトピーがアトピーと診断されておらず、ぜんそくもぜんそくと診断されていません。アレルギー採血がなされていて、卵白がクラス4、ミルクがクラス3。
どういう訳か、卵に関しては卵白1/2粉を使った負荷試験がされていました。結果は食べられると判定されたようです。
そこは小児科クリニックで、アレルギー専門医でもなく、負荷試験なんてやっていなかったはず。
ちなみに当院が開業以来、一度も紹介を受けたことはありません。だいぶ前ですが、患者さんに「負荷試験を受けるには、新潟市まで行かないと受けられない」と言っているドクターです。
最近負荷試験を始めたのかもしれませんが、私の場合は専門病院で研修した際に、日本の第一人者の先生の負荷試験を見学させていただき、試行錯誤を重ねた上で、ようやく開業医でも負荷試験は可能であると言える状況に至りました。
もちろん、相談されれば、アドバイスはします。患者さんを危険に晒したくないからです。にも関わらず、卵白クラス4の患者さんに卵白1/2個を食べさせるなんて…。
何もなかったからよかったものの、仮にアナフィラキシー を起こして、病院に紹介されたとしても、患者さんは当院の存在も知らないため、そのドクターに感謝してしまうという形になるはずです。
敢えて言いますが、これはハッキリ言って危険です!。
当院は加工品から食べさせて、卵焼きを食べられる状況に仕立て上げています。そのやり方だと、めったに症状は起きず、起きても蕁麻疹など軽度な症状だけです。負荷試験はかれこれ20年もやっていますが、こんないきなり卵白1/2個なんてやったことはありません。
おそらく危険に晒されているのは、この患者さんだけではないはず。患者さんには気をつけていただきたいものだと考えております。