今月の講演の準備をしています。
スライドは作り直しています。そして、これは代えた方がいいと思えば、改良しています。
もし食物アレルギーという病気が単純明快で、こうすれば間違いないという方針が決まっていれば、私もこうは悩まなくてもいいのだろうと思います。
結局、まだ未解明だったり、整理されていない部分も結構残っていて、要は捉えどころがない部分も少なくないので、万人に伝わるように話をするのは難しいということなのかもしれません。
例えば、食物アレルギーは症状が重ければ、エピペンを使うことが推奨されています。誰だって症状が軽ければ、様子を見ていいことは理解できるし、重ければ、救急車が必要なことは分かると思います。
ただし、その「軽い」と「重い」、誰にでも判別は簡単かと言えば、そうではないでしょう。
学会は、エピペンを打つべき主要な13項目の症状を挙げて、それがあればエピペンを使い、救急車を呼ぶように言っています。これがあれば、相当助かります。ただ、それで誰でも正しい判断をできるかと言えば、おそらくそうではないでしょう。
そもそも13項目だけで、判断できるのか?。また13項目の症状は人により判断が異なったりすることもあるでしょう。更に更に、一般の人にとってエピペンは怖い、打ちたくない、打って副作用でも出て訴訟になったらどうしようなどなど不安は絶えないでしょう。
食物アレルギーの講演活動は何だかんだで20年近くやっていますが、未だに完成を見ていません。まあ、だからこそ続けられると言われれば、そうなのですが…(汗)。