小児科 すこやかアレルギークリニック

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除去に疑問
2021年12月17日 更新

生後まもなくから湿疹があり、皮膚科に通っても改善がなく、6ヶ月になって小児科に鞍替えした患者さんがいました。

アレルギー採血を行われ、卵白がクラス4、加熱卵白を表すオボムコイドがクラス0でした。その小児科医から卵は除去と言われ、1歳過ぎにアレルギー採血を再度行ったそうです。

卵白クラス5、オボムコイドクラス5でした。その小児科医は1歳になったら少し食べさせるつもりでいたようですが、このようにクラス5まで上昇しており、また半年後にアレルギー採血を再検すると親御さんに説明したようです。

「このままでいいのか」と不安になって当院を受診されています。当院まではかなり距離がありますので、親御さんとしては思い切った行動を取られたということだろうと思います。

多くの小児科医が卵白がクラス5であり、加熱卵白がクラス5なので、除去と言ってしまうと思います。6ヶ月の時の採血が卵白4、オボムコイド0でしたので、除去していた結果、更に数値が急上昇したことになります。「除去が正しいのか?」、「引き続き除去する価値があるのか?」と疑問に感じなかったのかと個人的には思います。

当院を初めて受診したのが1歳過ぎでしたが、卵に関しては当院の“勝利の方程式”を採用しています。つまり、まず卵クッキーから負荷試験をしています。1歳2ヶ月のことです。

さて、いつ治ったと思いますか?。何と1歳8ヶ月には卵焼きを1個ペロリと平らげています。ちょうど半年後ですね!。

食物アレルギーでお困りの親御さんは多いと思いますが、医師の指導する“除去”に関して、もっと疑問を感じてもらいたいと思っています。

そもそも、今回の小児科医もアレルギー採血を半年後に再検などと言っていますが、半年後にどう食べさせていこうかというプランは持っていないはずです。敢えて言えば、政治家がよくやる結論の先延ばしってやつと何も変わらないと思います。

個人的には、こんな経験を数多くしているので、食物アレルギーにおいて除去は何も生まないのではないかと考えるようになりました。