小児科 すこやかアレルギークリニック

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抑えられない
2022年01月31日 更新

カルテをひとりひとり開いて、データの整理を行っているところです。

乳児期早期に見られる“湿疹”をアトピー性皮膚炎と診断し、治療すると食物アレルギーが予防できると考えています。

そういう目でカルテを見ていると、少々悲しくなります。受診のタイミングで大きく異なっているからです。

どういうことかと言いますと、受診のタイミングが遅い乳児は、かなりの割合で食物アレルギーに傾いています。「タイミングが遅い」と書きましたが、赤ちゃんの“湿疹”を心配して近くの小児科や皮膚科にかかっている人も、タイミングが遅い部類に入ってしまうのです。

要は、乳児湿疹などと診断され、実はアトピー性皮膚炎なのに、アトピー性皮膚炎のガッチリした治療をしていないと大きく食物アレルギーに傾いてしまうようです。

適切に“湿疹”を治療しないといけないという意味です。大抵は、ステロイド軟膏を塗って良くなったらやめて、出たらまた塗ってという指導をされるようです。そのやり方だと、湿疹の出ていることが多くなってしまいます。

それだと経皮感作の機会を増やしてしまうのです。アトピー性皮膚炎の「標準治療」は、“湿疹”を常に消し続けるという方法です。つまり、“湿疹”を出ないクセを付けてしまおうというものです。

今のところ、乳児湿疹などと診断されて、「標準治療」されないと食物アレルギーに傾く可能性が高いと考えています。アトピー性皮膚炎を早期に診断して、ガッチリと治療しないとなかなか抑えられないというのが、私の捉え方です。