小児科 すこやかアレルギークリニック

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予防するには2
2022年02月03日 更新

食物アレルギーを予防する一つのポイントは、経皮感作を防ぐことだと考えています。

当院は、食物アレルギーの患者さんが多く通院してくださっていますが、そのほとんどがアトピー性皮膚炎を合併しています。

残念ながら、アトピー性皮膚炎を見逃されていることがほとんどです。口周りや肘や膝などにキンダベートなどの効果の薄いステロイド軟膏が処方されていて、塗って良くなったら中止して、また悪くなったら塗るよう指導されているだけです。

このやり方だと、個人的には昨日の「リアクティブ療法」にもなっていないと思います。その結果、湿疹は消えることなく、経皮感作を受けることが多いようです。

そして、実は卵なら卵の抗体が陽性になっているのも知らずに、離乳食を与え始め、食べ慣れてきた頃に多めに与えた際に食物アレルギーを発症してしまう。それでビックリして当院に駆け込むという患者さんが多いのです。

そうやって痛い思いをした親御さんが、次のお子さんを妊娠、出産されると、生後1、2ヶ月で湿疹が出始めると、アトピー性皮膚炎を疑い、早期介入を求めて受診されることが多くなっています。

昨日も触れたように、「リアクティブ療法」アンド「部分塗布」の組み合わせは多くの小児科医、皮膚科医の行うところですが、これでは食物アレルギーは予防できないと思います。

その真逆である「プロアクティブ療法」アンド「全身塗布」を行うことで、経皮感作は一定の割合で予防できると思います。

全て予防したいと考えていますが、全てとはいかないのが現状だと思います。けれど結構予防できるという印象を持っています。食物アレルギーの対応は、新しいステージに差し掛かっていると感じています。