昔からアトピー性皮膚炎の重症なお子さんは、重度の食物アレルギーを合併することが分かっていました。
こういう言い方ができるのだと思っています。皮膚に広くて深い“湿疹”があるというイメージです。卵やミルクを取り込みやすくなります。そうすると経皮感作がやすやすと起こってしまう。
その逆に、軽度の局所の“湿疹”では、食べ物の刺激が入りにくく、食物アレルギーになりにくいといった感じでしょう。実際、軽症のアトピー性皮膚炎では経皮感作が起こることと起こらないことがあります。
重度なアトピー性皮膚炎では、経皮感作は必発と思ってもらって構わないというくらい、起きてしまいます。
その経皮感作は、どういう訳か、乳児期に起こりやすいようです。これは私の経験からです。
となると、0歳のうちはアトピーの湿疹があれば、食物アレルギーのためにも徹底的に皮膚治療をやるべきだと考えています。
ただ、1歳を過ぎれば、皮膚治療しなくていいかということにはならないと思います。アトピー性皮膚炎の湿疹は消す努力をしなければ、より消えづらくなってしまうと思います。
早期からアトピー性皮膚炎の治療をガッツリやっていると、皮膚は安定しやすくなると感じています。食物アレルギーだけではなく、アトピー性皮膚炎自体のためにもキッチリと治療すべきということだろうと考えています。