小児科 すこやかアレルギークリニック

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青天の霹靂
2022年02月12日 更新

赤ちゃんがミルクを飲んだり、卵や小麦を食べ始めた頃にじんましんが広がったと慌てて受診されることがあります。

親御さんからしたら、まさに青天の霹靂。食物アレルギーは死亡することもある怖い病気と認識している親御さんも多いため、非常に心配して受診されたりします。

その時の恐怖心を思うと、卵や乳、小麦を与えるのが怖くなります。その上でかかりつけで卵やミルク、小麦の抗体価が高いのでしばらく除去と言われ、「そうか」と納得し、与えたくないと思ってしまいます。

全国各地でこういうことが繰り返されていると思います。これは避けられないこととお思いだと思いますが、実はほとんどが避けられます。起きないようにさせることができるのです。

食物アレルギーは、多くは経皮感作によって起こるのですが、それは“湿疹”からです。

大抵は「乳児湿疹」と診断されていますが、その「乳児湿疹」から経皮感作を起こしたものと考えています。

卵など食物アレルギーで受診された親御さんに「湿疹はなかったですか?」と質問すると、ほとんどが「乳児湿疹がありました」と言われます。いやいや、実はそれが軽いことも多いのですが、アトピー性皮膚炎と診断できると思います。

アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質の家系に生まれることの多い湿疹ですが、痒みが特徴です。「そう言えば、赤ちゃんが顔を私の服にこすりつけていました」とか言われることが多いです。それって「ママ痒いよ」とSOSを出していたのです。

残念ながら、乳児湿疹だからじきに治るとかかりつけから言われ、安心しきっている親御さんが、裏で食物アレルギーが準備されていることに気づかずに、ある時、離乳食を与えて(ミルクを与えて)突然発症したと捉えているのだろうと思います。

私は事前にこの辺の知識を持って用意周到に対応すれば、青天の霹靂が青天の霹靂でなくなると考えています。