2014年ですから、もうだいぶ前のことですが、アトピー性皮膚炎を発症しやすい赤ちゃんに保湿剤を塗ることでアトピーの発症を減らすことができたという論文が2つ出ました。
そのうち、ひとつは日本からのものです。この時は新生児から生後8ヶ月まで保湿剤を1日1回はしっかりと塗ると、3割アトピーの発症を減らすことができたということでした。
正直、保湿剤を塗るくらいで、遺伝子に書かれているアトピー性皮膚炎の発症という、いわばプログラムをそうさせなくすることができるのか?と疑問に感じたものです。
それから8年。世界の研究者はその大きな課題に挑戦し続けていました。
その結果、保湿剤の塗布はどういう保湿剤を、何回、どのように塗るかというハードルはありますが、それをクリアさえすれば、予防的に働くということが分かってきたようです。
保湿剤塗布で経皮感作も減らすことができたという報告もあり、食物アレルギーも予防できる可能性を秘めています。
この大きな課題について、今後も注目していきたいと考えています。