アレルギーの分野で、「忌避」と書くと、だいたいステロイド忌避を意味すると思います。
アトピー性皮膚炎に対し、ステロイド軟膏の使用を極端に嫌がる患者さんは、以前に比べるとかなり減りましたが、少ないながら時々見かけます。
先日、食物アレルギー症状で受診された赤ちゃんがいました。医療機関には通院しておらず、皮膚の状態は良くありませんでした。
検査してみると、食物アレルギーは多項目の数値がかなり高めの状況でした。今回のエピソードはアナフィラキシーではありませんでしたが、かなりマズいなと感じました。
卵は数値が高くても結構治りますが、乳は治りにくい印象があります。皮膚治療をしっかりした上で、負荷試験を行い、少量でも食べさせていく必要があります。
皮膚治療をしないで、食べさせればいいんじゃないかと考える人もいると思います。実は、成育医療研究センターのプチスタディーという研究があります。アトピー性皮膚炎の乳児の皮膚治療を徹底的に行い、生後6ヶ月から少量の卵を食べさせ、卵アレルギーの発症予防をしたというものです。
皮膚の治療が思わしくなかった赤ちゃんは、卵を少量食べてはいたのですが、卵アレルギーを発症していました。ですから、皮膚治療をしつつ、食べることはセットだと考えています。
まだ何とかなると思っています。そう言い、親御さんに治療を受け入れていただきました。ご家族の期待に応えるために、頑張らないと!。