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黒歴史
2022年03月08日 更新

最近、過去のよくない歴史を「黒歴史」と言ったりします。

アトピー性皮膚炎の治療に関する歴史も、褒められたものではないと思います。皮膚の病気だから、皮膚に軟膏を、そして炎症があるのだから、炎症を抑える薬を使用する、というのは理にかなった治療だと思います。

1990年代の日本のアトピー性皮膚炎治療の大きな影響を与えたのが、ニュースステーションの報道があってからだと言われています。

それ以来、多くの患者さんがステロイドを使いたくないと言い、医師もステロイド軟膏を使わない派が増えました。患者さんをだまし、利益を上げる便乗商法も流行りました。

そう言った時代に、アトピー性皮膚炎の治療の中心は、原因探しでした。食物が原因であり、それを除去して湿疹を良くしようという考え方でした。

小児科医を中心に除去、除去という対応をし、皮膚の炎症は悪くなる一方。そりゃあ、経皮感作も起こりたい放題となってしまいます。

もちろん、医師は良かれと思ってやっているのですが、根本的に現在の治療からすると変なことをやっているため、悪化しやすい慢性疾患は、良くなる糸口をつかめないまま、悪化の一途をたどるという感じだろうと思います。

2008年にプロアクティブ療法が登場し、徐々に現在の治療に近くなってきます。日本の治療が20年近く、さまよったということのようです。