小児科 すこやかアレルギークリニック

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2022年03月30日 更新

昨日、二人の小児科医が「クルミアレルギーは治らない」と言った話をしました。

そういう話を聞くと、カチンときます(笑)。誰が決めたと言ってやりたいです。

数年前にクルミを食べて、アナフィラキシーを起こしたお子さんが受診されました。誘発された症状が軽くなかったので、エピペンも処方しています。

巷では、クルミは除去とされるような状況だと思います。専門医でもそう言ってしまうかもしれません。

私はあきらめが悪いせいか、負荷試験をやってしまいます。微量でも食べられれば、食べさせるということをやっています。

私の中では、クルミで負荷試験をやり、症状が出てもあきらめないと治ってしまうケースは結構経験します。あきらめが悪いのは、決して悪い訳ではないと思っています。

アナフィラキシーを起こしたお子さんですが、本人はあまり食べたがらないのですが、母が子どもを引っ張っていくタイプで、時々負荷試験を受けに受診してくれていました。

他の食品と一緒で、少し食べているともう少し食べられるようになり、さらに食べているともっと食べられるようになります。

ポイントは、先急ぎしないこと。もう大きいので、症状が誘発されてしまえば、「もう食べたくない」と言いますし、このケースでは母の努力も水の泡になりかねません。

ゆっくりと、確実に食べられる量を増やしてきます。先日はクルミを何と6個食べることができました。私の中では、合格ラインをクリアしています。

本当に治ってしまったのかどうかは議論のあるところかもしれません。しばらく食べるのをやめると、また食べられなくなるなんてこともあるからです。

時々食べていけば大丈夫かもしれないと考えています。いずれにしましても、母と本人の継続的な努力に敬意を示したいと思います。