小児科 すこやかアレルギークリニック

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エビデンスレベル
2022年04月07日 更新

昨年、食物アレルギーのガイドラインが2021年版にバージョンアップされました。

かなり前の部分に卵アレルギーでは、食べさせる治療法は有効か否か?という問いがあります。

その答えとして、エビデンスレベルがA、B、Cの評価でDだと記載されています。つまり、オススメしにくい治療であると書かれています。イメージ的には、大学受験の志望校合格率がD判定という感じでしょうか?。

個人的に食物負荷試験を始めてから20年経ち、いろいろな経験を積ませていただき、除去は有効ではなく、いかに積極的に食べさせていくかがポイントであるという結論に至りました。

ですので、この判定は納得できるものではありません。

おそらく、こういうことでしょう。超重症の年長児の場合だと、少量を食べさせることも難しいため、このこと言っているのではないかと。

乳児の卵アレルギーでは、患者さんに対し「ほぼ100%治りますよ」と言っています。要は、乳児期だと食物アレルギーがそこまで重症化していないことがほとんどで、食べられる量を食べさせていると、どんどん食べられるようになります。

なるべく早く受診してもらい、アトピー性皮膚炎の治療を徹底して行うことも重要です。そうしないとRASTスコアがクラス5とか6に向かってしまい、難治化してしまうようです。

ということで、皮膚治療をしっかりと行い、乳児期から食べさせればどうかという場合で評価していただければ、エビデンスレベルは変わってくるのではないかと考えています。

個人的には、ガイドラインの冒頭部分にD判定と書いてあるのは、ちょっとやる気が削がれるような気がしています。