食物アレルギーの治療上の戦略に、加工品を使うというのがあると思います。
当院は、卵では卵クッキー、カステラを使っています。イメージ的には卵を小麦などでオブラートで包んでいるため、卵アレルギーがあっても症状が出にくいというように捉えています。実際、加工品だと食べられるというデータもあったと思います。
卵焼きを直接少量食べさせるのと、同僚の卵を含んだクッキーやカステラでは、症状の出方が違うという意味です。
食物アレルギーでは、症状を起こしてしまうと、医者も除去と言ってしまうし、患者さんも辛い思いをしてしまいます。症状を起こさないに越したことはないと思うのです。
にも関わらず、加工品なら食べられるとか、加工品にまつわる研究はほとんど行われていないように感じます。多分、アレルゲンの含有量を評価しにくいからだと考えています。
要は研究には向かないし、研究結果が医療現場にフィードバックされるので、アレルゲンそのものを食べさせる方法しか使われないのだろうと思っています。
患者さんが食べられるようになることが、最大の目標であるのならば、加工品に関する研究がもう少し行われてもいいと思うのですが、どうなっているのでしょうか?。
食物アレルギーの世界は、重症児がなかなか治らないことが問題になっています。少量でも食べさせて症状が出ないのなら、かえって加工品を食べさせて自信を持ってもらうことが、もっと注目されてもいいと考えるのは、私だけでしょうか?。