先週の学会では、乳児アトピー性皮膚炎について発表してきました。
当院を受診されるなりゆきの割合はこうです。湿疹が出て心配になって受診が50%、湿疹で他院にかかっていてよくならず鞍替えという形で受診が37.5%、残りは予防接種や乳児健診で医師からの指摘という形でした。
湿疹が出て心配という形では、当院でアトピー性皮膚炎と診断しているのですが、他院で治療してという形だとほとんどアトピー性皮膚炎とは診断されていませんでした。
当院は市外からも受診があるため、上越市に限らず、世の中の傾向と言えそうです。
その結果、何が起きるかというと、過小診断、過小治療ということになります。
「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、アトピー性皮膚炎もまったく同じことで、熱いうちに大した治療がされないと、軽くない患者さんに関してはこじれるクセがついてしまうと感じています。しかも、軽くなければ食物アレルギーも引き起こしやすくなります。
早期発見、早期治療で症状を抑えるチャンスなのに、そうされないということは、ある意味親御さんの期待を裏切ることにつながりかねません。
多くの保護者やドクターが乳児アトピー性皮膚炎について関心を高める必要があるという結論になると考えています。