「耳鼻咽喉科」とは、普段「耳鼻科」と言っている専門科の正式名称です。
「耳」は耳、「鼻」は鼻、「咽」は咽頭と言っていわゆる「のど」、「喉」は喉頭を意味し、「のどぼとけ」の辺りで、声帯と言って声を出す器官のあるところです。
意外と知られていないかもしれませんが、それより下の気管支は耳鼻科にとって専門外ということになります。
先日、ある耳鼻科で「お母さんがぜんそくだと思うなら、小児科に行ってくれ」と言われた親御さんが当院を初診されました。
耳鼻科の見立ては「ぜんそくではない」ということでした。鼻水と咳をしょっちゅう繰り返し、その都度耳鼻科にかかっていたそうです。
痰がらみの咳ですと、痰は気管支で作られるのですが、鼻が落ちてそういう咳になっていると言われてしまうと、確かに判断が難しくなります。
ぜんそくですから、ゼーゼーを繰り返していたのですが、耳鼻科にかかる頃にはゼーゼーも治っており、「ぜんそくではない」という判断になっていたようです。
ぜんそくは夜から朝に悪化し、日中は落ち着きますので、診察時にゼーゼーが聞こえないのは当然であり、「ぜんそくではない」という理由にはならないと思います。
ということで、ややこじれていると思いますが、当院でぜんそくの治療を始めされていただくことになりました。
このようなケースは他でもよくあることと思われ、気をつけていただきたいと思っています。