休日夜間診療所というところがあります。
夜間や休日に体調が悪くなると、開業医が中心となって交代制で診療してくれる場所です。
診療する際に、お薬手帳が提出されており、見てみて「おやっ」と思うことがあります。
風邪薬がやたらと繰り返し処方されていたり、ステロイド軟膏が処方されています。
どちらもたまたま悪くなっただけなら、繰り返し処方されることはないし、そもそも医師のもとを受診する必要もありません。
こういうのって、ぶっちゃけて言えば、アレルギーが“誤診”されているんだろうなって思います。
実際、ぜんそくが“風邪”、アトピー性皮膚炎が“乳児湿疹”などと診断されていることはかなり多く目にしてきました。「咳が止まらない」、「湿疹が治らない」と当院を受診される患者さんが後を絶たないからです。
巷では、適切に診断や治療を受けていない人が多いんだろうなと感じる瞬間です。
患者さんは「おかしい」と思うと、近間の医者に代えるという行動をとることが多いと思います。当地のような地方都市では、周囲の人が当院の受診を促してくださることが結構あります。
もし、アレルギーが専門の医師がいなければ、医者を代えても“誤診”されてしまうので、親御さんは「これは“風邪”なんだ」、「やっぱり“乳児湿疹”でいいんだ」と思わざるを得ません。
症状が軽快しないのは、本当は“誤診”のせいなのに、長引くもの、仕方ないことと思い込まされてしまいます。例えば、食物アレルギーは除去し続けるものと思わされている患者さんは少なくないと思います。
軽症も含めると、アレルギーで「ちゃんと診断されて、適切に治療を受けているお子さんってどれくらいいるんだろう?」と思います。私の印象なのですが、半分もいないんだろうなと感じています。