現在、当地ではインフルエンザが流行しています。
多くの患者さんがインフルエンザの検査キットで検査してもらって診断し、タミフルやリレンザといったインフルエンザ治療薬で治療されるのが“当たり前”だと捉えていると思います。
逆に、そうされないと心配になってしまうのだろうと思います。一般市民にとっても、治療のゴールが、正しく診断されて、抗インフルエンザ薬を使うことと認識されているのだろうと思います。
私は食物アレルギーの患者さんを診ることが多いです。
すると、「除去しなさい」と指導されていたりします。私は食物アレルギーの治療は「食べられるようにすること」だと捉えているので、前にかかっていた医師との“ゴール”が異なることに気付きます。
食物アレルギーは確かに「除去」すれば何も起きないので、“ゴール”のように見えます。何が言いたいかというと、インフルエンザと違って、医者によって“ゴール”が異なるのではないか?ということです。
おそらく専門医にとっては「食べられるようにする」のがゴールであり、非専門医にとっては「とりあえず症状を起こさない」のがひとつのゴールなんだろうと思います。
長い間、「除去」しているとかなり重症化したり、怖がって口にできなくなったりします。
そういう場合は、治療困難となってしまいます。内心、「もっと早く受診してくれていたら、治しやすかったのに」と思ってしまいます
患者さんは医師から「除去」と言われてしまうと、そういうものだと思ってしまうのでしょう。
“ゴール”が複数ある弊害だろうと思っています。