先日、こんな赤ちゃんが当院を初めて受診されました。
湿疹があり、アレルギー採血で卵白がクラス5だったそうですが、その開業医から何の指導もなく、困り果てて当院に相談に来られたという格好です。
この分野はこだわって早期介入を行なっていますので、何が起きているかというと、こういったことだろうと考えています。
生後2、3ヶ月から湿疹があったということでしたが、アトピー性皮膚炎が始まっていたと思います。
アトピー性皮膚炎とキチンと診断して、しっかりと湿疹を消す治療をしなければならなかったのですが、「乳児湿疹」などという医師が多いのが実情です。診断を誤り、治療も誤ると、湿疹はコントロールできません。
湿疹の程度が重くて、長引かせると、経皮感作が思いのほか進みます。早く気づいて治療すれば、クラス2程度に抑えられるのですが、そうされていなかったがために、クラス3、4、5と高くなったのだろうと思います。こうなると、卵の食べさせ方には用意周到さが必要になります。
医師からは卵白クラス5が判明したにも関わらず、食べさせ方の指導もなく、当院に紹介するでもなく、敢えて言えば、その医師には“ゴール”が何も見えておらず、行き当たりばったりという感じなのでしょう。
受診が遅れれば遅れるほど、治療は困難になりますが、幸い早めに受診してくださったので何とかなるでしょう。ちゃんと“ゴール”を見据えながら治療させていただこうと思っています。