当院は、食物アレルギーにこだわった診療をやってきました。
どうしたら食物アレルギーを治せるか?、どうしたら減らせるか?と考えてきました。
そういった試行錯誤の中で、経皮感作という考え方が出てきました。例の「茶のしずく石鹸」事件も大きかったと思います。
小児の場合は、アトピー性皮膚炎の湿疹から経皮感作が起こることが分かってきました。ではそのアトピー性皮膚炎はいつ発症してくるのか?と考えた時に、「この軽微な湿疹がアトピー性皮膚炎の始まりだろう」と突き止めました。
それは、生後1、2ヶ月から発生していたのです。そういった論文も多いですし、それには確信を持っています。
この“湿疹”を超早期から抑えていけば、食物アレルギーを減らすことができる。そう考えて治療も始めています。
しかし、日本では第一人者の先生のもとに、このような軽度の湿疹ので始めた赤ちゃんは受診することは稀だと思います。そりゃ、親御さんもアトピー性皮膚炎が始まっているとは考えないし、いきなりは大学病院や専門病院は受診しないですよね?。
まだ多くの医師の間では、アトピー性皮膚炎を早期に見つけようとする発想がなく、第一人者の先生にとってはしたくてもできないことかもしれません。おそらくアトピー性皮膚炎だと診断できる医師も非常に少ないと思います。
そんなこともあって、私のやっていることは、“エビデンス”の薄いことなのかもしれません。
いつエビデンスが示されるのか?。現状ではなかなか難しいことではないでしょうか?。