食物アレルギー対応のキーワードは「湿疹」と「早期」というのが第一人者の認識であると思います。
専門病院は、食物アレルギーが難治化した患者さんが受診することが多く、生後1、2ヶ月から出てくるアトピー性皮膚炎の「湿疹」を診ることは難しいのかもしれません。
また食物アレルギーがあるかどうか分からない状況で「早期」から食べさせる立場にないでしょうから、対応できない現状はあるのでしょう。
当院では、18年前の開業時点から卵やミルクがクラス6だろうが、アナフィラキシー を起こしていようが、少量から食べさせる努力をしていました。一例を挙げますと、卵白クラス6の患者さん数署lを調べてみたら、3分の2は解除にしていました。
ただ、治せなかったお子さんも存在しました。医学が進み、アトピー性皮膚炎の「湿疹」から経皮感作が起こることが解明されてきました。生後1、2ヶ月から「湿疹」が出ることが分かり、日本の診断基準では対応できないため、イギリスの診断基準を流用しています。
これは成育医療研究センターのオススメの方法です。そしてアトピーの「湿疹」を一気に治してしまう治療を行うことで、経皮感作を減らすことができることを実感しています。
そして、食物アレルギーはいき値以内で食べさせれば、症状は起こさず、乳児期から食べさせると、治ってしまうことが多いことを突き止めました。
新潟県内ではもとより、全国的にもこれだけ早いタイミングで食物アレルギーの対応をしていた小児科医はほとんどいないと思います。
ここ数年、診ているアトピー性皮膚炎の患者さんを改めて振り返ると、アトピー性皮膚炎の「湿疹」は安定し、乳児期という「早期」から負荷試験をやっているため、乳や小麦アレルギーは当然として、最多の卵アレルギーもほぼ全例解除になっているようです。
そうなると、食物アレルギーの患者さんが当院に集中することになるのは自然の流れだと思います。
上越市の患者さんがメインなので、誰も言ってくれないので言ってしまえば、上越市や「教育委員会」にもかなり貢献しているのではないかと考えています。