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エビデンス
2025年03月11日 更新

現代の医療は「エビデンス」が重視されています。経験や勘に頼っていては、医師によって診断や治療が変わってきてしまいます。エビデンスに基づいた「ガイドライン」は専門医と非専門医、ベテランと新人、大病院の医師と開業医などの差を埋めるためとも言えると思います。

例えば、私は開業医ですし、日本の第一人者は大抵は大学病院や専門病院の医師です。アレルギーに関しては、ちょっと問題があるという話をしようかと思います。

アトピー性皮膚炎を早期対応しようとするなら、湿疹が出始める生後1、2か月の時点から診療する必要があると思います。生後6か月を過ぎてくると診断しづらくなるケースが出てきます。早く診察できる方が有利なのです。

専門病院の医師はエビデンスを重視しますので、しっかりした根拠がないとアトピーとは診断しないと思われます。エビデンスにこだわる程、診療に問題が出てくると考えます。

しかも、対応の遅れによって経皮感作が進み、食物アレルギーも早くも治りづらくなってきます。これも私の立場から言えば、0歳から食べさせるとほとんどが除去解除にもっていけますが、1歳、2歳と成長が進むにつれて治療が難しくなってきます。もちろん解除できる人も多いですが、その中に治療困難な患者も存在してくると感じています。

難治の場合は、とにかく微量から食べさせるのがコツだと思います。ガイドラインの食べ進め方では、ちょっと粗いかなと感じており、もっと繊細にいかないと太刀打ちできないことも経験します。完全除去の対応になりやすいように思います。

特にアレルギーに関して、今のやり方には限界があるのだろうと感じています。