小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

エビデンスの弊害
2025年03月19日 更新

エビデンスの弊害は、食物アレルギーに関しても同様だと思います。

卵や乳を摂取して蕁麻疹などのアレルギー症状が出ると、急いで小児科等を受診すると思います。当然のように採血をすれば、卵白やミルクの項目が陽性となります。

そこで、多くの医師が「しばらく完全除去」という指導をしていたと思います。要は、「食べて症状が出る」、「抗体陽性」という証拠がそろっているので、しばらく完全除去を続けて抗体が低下し、食べられるようになるのを待ちましょう、としていた訳です。

今では乳児期からの完全除去がよくなくて、少量でも食べられるものは食べさせることが重要と言われるようになってきました。

これは食べ過ぎて、いき値を超えただけであって、食べ過ぎなければ、アナフィラキシーを起こした症例であっても、何も起きないのです。

私は福岡の恩師から症状を起こしていようが、クラス6であろうが、加工品等を食べさせた方がよいと指導を受けていたので、その「エビデンス」通りにはしていませんでした。

第一人者の先生方はコメントを出していないようですが、私は長く診ている解除の難しい患者さんには、「治せなくて申し訳ない」ということを言うようにしています。

最近書いているように、特に卵、乳、小麦は乳児期から食べさせていけば、ほぼ全例解除にできるので、なおさら申し訳ない気持ちになってしまいます。