当院は今年で開業して18年になります。
当時の赤ちゃんが、高校を卒業する年齢です。18年前と言えば、まだまだ「抗体が高ければ除去」、「症状が出たなら除去」という時代でした。これは日本を代表する専門病院でも、そういった方針をとっていたと思います。
私は福岡の専門施設でアレルギーについて学ばせていただきましたが、恩師が加工品を食べさせるという方針でした。
今はある程度、この分野も解明が進んだので、「少量を食べさせる」ということと「クッキーなどだと直接食べるより、症状が誘発されにくい」ということを実践していたのだと分かります。
そして、まだあまり言われていませんが、気持ちの問題です。症状を起こすと、子どもは味を覚え、食べるのを避けるようになります。
食べさせるのが遅いと、治りづらくなるし、避けるのが当たり前となり、少しずつ食べて慣れさせることもできなくなります。
開院当初から手塩にかけてきた18歳の患者さんが、進学のため地元を離れることになりました。重い乳アレルギーでしたが、恩師の指導を貫きました。摂取により症状が出やすかったですが、ご家族とも協力しながら牛乳200mlを摂れるようにしています。
もしかしたら、有数の専門施設に通っていても治せなかったものを、解除できたのかもしれないと思っています。
親御さんは最後の診察で「今までお世話になりました」と言わせたかったようですが、こちらこそいろいろなことを学ばせていただきました。「お世話したけど、お世話になった」、そんな気持ちです。


