食物アレルギーの治療の歴史については、個人的にはタイトルの通りだったと感じています。
「抗体が高いから除去」ということが続けられてきました。完全除去を続けて、抗体の低下を待つというものでした。
しかしながら、待てど暮らせど卵や乳のクラス6はなかなか下がりません。私は若いうちから、これは違うんだろうなと思っていました。
「症状が出たから向こう1年除去」というのも、今にして思えば、いき値を超えただけなので、少なくして食べれば問題ないことだったと思います。
「加工品を食べさせるのは、含有量が正確に分からないからダメ」というのも違うかなと思っています。卵や乳製品は小麦と混ぜて焼かれていると、ちょうどオブラートに包まれているように症状が出にくくなることが知られています。日常的に食べさせるには、逆に安全だと考えており、準備も楽なのです。しかも含有量を示す「早見表」があるので、これはいい戦法だと感じています。
「治療は病院で」というのも、早いうちからクリニック等で食べさせる努力をすべきでしょう。
最近は「少しずつ食べさせるように」というドクターが増えたことが、3大アレルゲンが減っている要因だと思っています。除去が長引いて、専門施設にたどり着く頃には、難治化しているというのがこれまでの流れだったのではないでしょうか?。
時々書いていましたが、18年前の開業当初から10年間に経験した卵白クラス6の患者さんに負荷試験を「段階的」に行ったところ、3分の2の解除になっていました。そのうちのほとんどが上手に食べさせられていき値を上げられたのでしょう、何ら症状を起こすことなく解除になっていました。
受診が早かった患児は物心がつく前だったのでしょう、今になって通院時に聞いてみると、「何の抵抗もなく卵を食べています」とおっしゃいます。
これは開業してから細心の注意をしつつ行ったものであり、食物アレルギーは、なるべく早いタイミングでクリニックで治療するものというのが私の信念になっています。