言うまでもなく、病気に対して正しく診断し、適切に治療することはとても重要なことです。
ただ、タイミングが遅いと治療は難しくなると思いますが、アレルギーはまさにそんな感じでしょう。ですので、アレルギーで最も重視すべきは、「早期」に正しく診断し、適切に治療することだと思います。
現実は、中途半端なことをされているケースはよく見かけます。今日はアトピー性皮膚炎の話をしたいと思いますが、残念ながらアレルギー専門医であってもそんな場合があります。
まず診断ですが、日本で最も使われている診断基準が日本皮膚科学会のものだと思います。2か月以上の慢性の経過をたどれば、乳児期のアトピー性皮膚炎を診断できると書かれていますが、「乳児湿疹」という概念が多くの医師の頭の中にあり、「これはアトピーではないだろう」という根拠から、そう診断されているようです。2か月経過しても、診断は「乳児湿疹」のままのことがほとんどです。
私は、乳児期の湿疹はアトピー性皮膚炎か否かを区別するのが重要だと考えています。早く診断し、ガッツリ治療することがポイントであると感じています。
それが「乳児湿疹」という判断で、早期介入というスタートダッシュを決めるチャンスが阻害されているというのが現状なのだろうと考えています。