小児科 すこやかアレルギークリニック

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難敵
2025年04月21日 更新

アレルギー専門施設で勉強させていただいてから20年以上が経ちます。

当時はガイドラインすらなく、食物負荷試験をやっている専門施設もほとんどありませんでした。私は恩師のおかげで、当時から食物負荷試験を行っていました。いつも言っていますが、アレルギー症状を起こしていようが、抗体価が高かろうがです。

当時から私にとって「少量でも食べさせる(加工品を活用)」、「段階的に食べさせる」というのが当たり前のことでした。

現在、専門医として診療している医師で、当時からこの方針を貫いているのは非常に稀有な存在だと思います。有り難いことです。

私から言わせていただくと、専門医を含めた医師がやってきた「アレルギー症状を起こしたので除去」、「抗体価が高いので除去して抗体価の低下を待つ」ということに問題があったのだろうと思います。

私は、恩師の先見の明のおかげで、これまで診てきた食物アレルギーの患児に対し、完全除去を薦めたことはまずないと言えますし、どんなに重症であっても負荷試験を行ってきました。

「いき値を超えただけ。もっと少ない量なら食べても症状が出ない」、「除去しても低下はせず、逆に食べていると抗体価が下がる」というのが真実だろうと思っています。

あと、「食べさせるのが遅い」と、かなり治りづらくなってきます。これはアレルギー専門ではない医師が「数か月除去しなさい」と指導するケースがいまだにあります。

完全除去にはせずに食べさせるべきだろうと思います。それが難しいなら専門医へ紹介すべきでしょう。ダラダラした除去は、難敵です。