アレルギーマーチという概念があります。
アレルギーの体質を持っているとアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎の順に発症してくることが多いとされています。
その発端となるアトピー性皮膚炎を見つけることができれば、食物アレルギーや喘息に対し、早期介入できるはずです。
アトピー性皮膚炎は生後1、2か月から発症することが多いのですが、多くの専門医がその時点から診ている訳ではないので、アトピー性皮膚炎の早期の対応が不十分だと感じています。
食物アレルギーは、多くの場合、卵や乳を摂ってアレルギー症状を起こし、採血にて卵白やミルクの抗体価の上昇を確認して診断されます。これに対し、除去することなく負荷試験を行おうとする専門医は多いようです。時代の変化ですね。
その次は喘息の番ですが、アトピー性皮膚炎を最初から診ていることが多い私の経験からすると、かなりの確率で喘息を発症してきますが、そうとらえている専門医は少ないと思います。
つまり、専門医であってもアトピー性皮膚炎の診断はできているとは言い難く、症状に見合った十分な治療も行われておらず、「もっと良くできるはず」と考える保護者が当院を訪れてくださいます。
食物アレルギーについては、アトピー性皮膚炎を見逃さなければ、食べる前から食物アレルギーの可能性を指摘できます。発症する前から上手に食べさせるのがベストでしょう。
そして喘息に関しても専門医であっても典型的な症状を繰り返してから治療が始まっていることが多いようです。タイミングが遅いようです。
アレルギー専門医の間でも認識の差が大きく、まだまだ整備されるべきことの多い分野だと思っています。ちなみに、早期介入のメリットはあまりにも大きいと感じています。
既に専門医にかかっていても、「もっと良くできるはず」と思われる保護者の方はご相談してください。