小児科 すこやかアレルギークリニック

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アトピーで死亡
2010年01月15日 更新

冬型の気圧配置のため、すごく荒れた天気になりました。

暴風雪だったため受診のキャンセルもあり、久々にのんびりした外来になりました。開院当初を思い出してしまいました(汗)。

それでも毎日、初めて当院を受診される患者さんが来て下さっています。関西の大都市在住で、上越に戻ってきていた患者さんが知人の勧めで受診されました。

皮膚が痒いとのことで、地元の皮膚科に通っていました。アトピー性皮膚炎とは診断されていませんでしたが、アトピーでした。乾燥肌の治療がなされていましたが、過小診断、過小治療で良くならなかったと思われました。

みる人がみればアトピーとすぐに分かるのですが、“軽くみられている”ことにアレルギーを専門にする小児科医として正直言って不満を感じています。

ただ、軽ければ「良くならない」という結果なのですが、重症だと話が変わってきます。先日、ネットニュースで取り上げられた話題は衝撃的でした。

生後まもなくアトピー性皮膚炎を発症したお子さんを適切な治療をしないまま放置し、敗血症で死亡させたというニュースです。両親ともにある宗教の信者で、患部に手をかざして「浄霊」できると信じていたそうです。多分、全身ジクジクで皮膚に細菌感染を起こしていたものと思われます。つくづく専門医が早く介入していれば、死亡することはなかっただろうと悔やまれます。

数年前のケースですが、お子さんがアトピーで高額な治療費を払いきれずに一家で心中を図ったという話もありました。私の記憶が確かならば、アトピーの治療をいわゆる「民間療法」に頼っており、1ヶ月に5万ほどの“治療費”を請求されていたそうです。これが毎月のことですから、かなり家計を圧迫していたものと予想されます。

このケースでもアレルギー専門医のもとで治療していれば、こんな惨事は起こらなかったはずです。しかも保険診療で“格安”で対応できたであろうと思っています。

もちろん、アトピー自体が軽ければこれらのケースは死亡につながらなかったと思います。しかし、軽くても適切な治療が受けられなければ、ある意味同じことだと思っています。

確かに、アトピーの治療は難しいケースもあります。しかし、専門医の場合は治療の引き出しをいくつも持っているので、あらゆる手を使って治療して皮膚症状を安定させようとすると思うのです。自ずと治療経過は異なってきます。

アトピーの治療は皮膚科、小児科がメインでしょうが、内科医が診ることもあるでしょう。その中にはアトピーと診断されていないケースも少なくありません。改善していないのに、同じ薬が処方し続けられていることも多いのが現状でしょう。

軽症から重症までアトピー性皮膚炎の患者さんが、できれば治療に精通した専門医の手によって適切な治療が行われ、こういった不幸な出来事が起きないような時代が来ることを願っています。