上越市が決断し、新型インフルエンザの集団接種が決まったことはお伝えしました。低年齢のお子さんを持つ家庭に案内が郵送されているようです。
県が健康な小児も接種できると言っておいて、相変わらず新型インフルエンザのワクチン不足の状況が続いています。受けさせたくても受けさせられず、それにも関わらず新型インフルエンザが流行しており、親御さんも気が気ではないことでしょう。
新型ワクチンの希望者を集めれば集めるほど、医院の収益は上がります。ここぞとばかりに張り切っている医院もあるようです。集団接種は、そういう医院にはありがた迷惑かもしれません。
ワクチン不足で、当院ではかかりつけのぜんそく患者さんに接種がまだ終わっていません。ぜんそくのないお子さんに接種したくても、国の決めた「基礎疾患を持つ患者を優先する」という方針を守らなければなりません。基礎疾患のない低年齢児にはまだ接種できない状況なので、集団接種はありがたい決断と言えます。
つまり、医院が新型ワクチンに何を求めるかで、ありがたかったり、迷惑だったりするのでしょう。
集団接種のための新型ワクチンが上越市にドーンと届く訳ですが、その分、当院に配分されるワクチンが減らされてしまうと困ってしまいます。しかし、それで減らされることはないそうです。気がかりなのは、健康な小児を優先する方針に変わりました。基礎疾患を持つ子よりは持たない子の方が多いのです。ある程度は増やしてもらわないと、当院かかりつけで接種を希望しているお子さんが受けられなくなってしまいます。増えずに横ばいなのかどうか、それが知りたいところです。
次回の当院に割り当てられる配分が分かりましたら、ぜんそくのある子の接種を続ける他に、食物アレルギーがあって集団接種で受けるには心配という子ども達に対応すべきであろうと考えています。
先日、まだ小さなお子さんを持つ親御さんが季節性ワクチンは、整形外科で打ってもらったとおっしゃっていたのを聞いて、違和感を覚えました。別に整形外科でも大人の患者さんも多く、インフルエンザのワクチンをやることは全く問題ありません。ただ、小さなお子さんに接種するのはちょっと心配ではないかと感じたのです。
別に不安をあおるつもりは全くないのですが、県内の小児科で季節性インフルエンザワクチンの接種後にアナフィラキシーショックに至ったお子さんのケースがあったそうです。かなり重篤な副反応でしたが、小児科の先生の適切な処置で無事だったそうです。あいにく、接種前に予測することは困難でした。こんなことは滅多に起こることではないですが、一定の確率で起こり得るのです。
お子さんがこんな状況に陥ったら、まずは小児科医の出番です。昇圧剤を投与し、点滴、吸入などと素早く手当をしなければなりません。
新型に限らず、季節性のワクチンは整形外科だけでなく、耳鼻科、眼科、皮膚科、精神科などの先生方も例年行っているようです。普段、子どものアナフィラキシーなどを扱わない科の先生方が、先ほどのケースのような時にすんなりと対処できるのだろうかと思ってしまったのです。中には、本家の小児科医よりも速やかに対応できるドクターもいるかもしれませんが、子ども特有の細い血管に点滴を入れることすらできないことが多いのではないかと思っています。
ショックの際は、迅速で的確な処置が求められます。「どうせ何も起きないだろう」ではなく、小さい子は「何か起きたら大変だ」と考え、小児科医に接種してもらうなどの役割分担も必要ではないかと感じています。
親御さんは、インフルエンザのワクチン接種と言っても、万が一のリスクが有り得ることを頭に入れておくべきだし、医療者側も「できないこと、自信のないことは断る」ことが責任ある医療と言えるのではないかと考えています。


