小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

混んでいるところ
2009年11月27日 更新

新型インフルエンザ関連のニュースを見ていて、「新型の診療と季節性ワクチンの接種が重なり小児科医の負担が増しており…」と書いてありました。

実際のところは、新型ワクチンの接種も重なっていますし、小児科医だけでなく、医院のスタッフにも負担が増大しています。少し前までは、現場では“ワクチンが何日に何人分届く”という情報が一番欲しいのに、知事は「予約して、速やかに医療機関でワクチン接種を受けて下さい」なんて言っていました。小児科医は、患者さんと県との板挟み状態でした。少しは県やメディアに小児科医の疲弊した状況を理解して頂いているのかなと思っています。

そんな中、相変わらずぜんそくやアトピー、食物アレルギーで適切な医療を受けられていないお子さんが当院を受診されています。普通なら、混んでいるからと話半分で帰されるところでしょうが、藁をもつかむ思いで受診されたと思うと、キチンと説明して納得して帰って頂きたいと思います。そもそも患者さんにとっては、「混んでいるから説明できない」という理論は通用しません。“医院の都合”を押し付けるのは、おかしいと思っています。できる限り時間を割いています。

世の中にはいろんな開業医がいます。いろんな“医院の都合”があるようです。私自身もそうですが、医師は聖人君子ではありません。ただ、あまりにも経営に走る医師も存在します。そういう医療を見るにつけ、私は反面教師としているつもりです。そういう医院は結構混んでいたりします。おかしなことだと思っています。

先日、某市から吸入ステロイドを3年連用している患者さんが受診されました。驚いたことに、吸入ステロイドは、ぜんそくの重症な子にしか使わない治療法なのに、ぜんそくと診断されていませんでした。ぜんそくやアトピーは診断が大切です。診断もなく治療がスタートできるはずがありません。なのに、こういうことは結構と行われているようです。

もう一つ驚いたのは、この3年間ずっと2週間ごとに通院していたというのです。当院はぜんそくの患者さんを大勢診ていますが、症状が落ち着いてくると1ヶ月処方しています。慢性の病気がある場合、症状を落ち着かせるのがプロなんだから、いい状態になれば2週間ごとに通ってもらう必要はないと考えています。

3年間、2週間ごととなると親御さんにも相当な労力になることでしょう。2週間が処方の限界だと信じている親御さんもいるくらいです。そんなことはありません。

実は、ぜんそくの治療に2週間ごとに通院させる医院は多いと思います。アレルギーの専門医でない方がそうすることが多いように思います。何度も通えば、再診料も請求されると思います。専門医ほど、症状を落ち着かせる努力をし、落ち着けば患者さんの手間やお金を省くように配慮しているように思います。医院は、来院する患者数が多いほど潤います。腕があって混むところもあるでしょうし、そういう状況が作られているところもあると思います。

当院は、ただでさえ待ち時間が長いので、患者さんには申し訳ないと思っています。だから、ぜんそくの症状が落ち着けば、自分の利益よりはあまり来なくていいように配慮しているつもりです。それが筋だと思います。

また、ぜんそくを持っているとアトピー性皮膚炎も合併していることが多いのです。皮膚科ではアトピーは診れても、ぜんそくには対応できません。一度に二つの病気を診ると、更に時間がかかり、待ち時間が長くなるという悪循環に至ります。アレルギー専門医は、経営という意味では効率は悪いのだと思います。ただ、経営や効率に走るとつまらない医者になってしまうと思っています。“医は算術”ではないはずです。

医師がみな良心的に対応すれば、患者さんにとってもいろんな意味で優しい医療ができると思っています。世の中にはいろんな医師がいますから、“医院の都合”というか方針を冷静に見る目が必要でしょう。混んでいるから腕があるとは言い切れないと思います。最終的に、患者さんは医師のポリシーで医院を選んでくれると思っています。