小児科 すこやかアレルギークリニック

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“内部告発”
2009年11月17日 更新

新型インフルエンザのワクチンを本格的に始めました。

といっても、当院かかりつけのぜんそくの患者さんのみを対象にしています。例の「10ml」のワクチンは50人弱の子ども達に接種することができます。当院は、予防接種も子ども達をかまったりしながら、丁寧にやっているつもりです。季節性ワクチンもやっている中で、平日に新型ワクチンを40~50人追加するのは結構つらいものがあります。

それでも、好きで基礎疾患を持った訳ではないので、当院の患者さんは自分が守らないといけないと思います。月に1回、診察室で会っているので、たまに受診される患者さんよりは「オレが何とかしなければ」と想いは強くなるのではないかと思います。体力の続く限り頑張らなければなりません。

予約をかなり頂いておりますが、吸入ステロイドを連用しているお子さんは早く電話を下さい。当院からも連絡をしてもらっていますが、上越でも流行が本格化しており、速やかに接種が済むようにと思っています。

先日、テレビを見ていたら「西宮冷凍」の話をしていました。雪印乳業の不正を暴くために、“内部告発”をしたのですが、理不尽なことに取引停止となり、会社自体が閉鎖に追い込まれたという内容でした。

また、いま注目の的の市橋達也容疑者を雇っていた建設会社が、警察に通報したことが仇となり、「社員の身元もきちんと調べない会社とは取引できない」と契約解除を通告される例が続いているそうです。

正義がまかり通らない世の中はおかしい。そう思いませんか?。医療の世界も、おかしいことはいろいろとあると思います。

先日、食物アレルギーで困っている患者さんが中越から来られました。かなり混んでいたのですが、私は“逃げる”ことはせず、キチンと話を聞いて向かい合おう思いました。食物アレルギーに対応できる小児科は県内にはほとんどおらず、私がそうしなければ、何十キロも離れたところが来られた努力が報われないと思ったからです。

いくつか地元の病院を受診されたそうです。先生方はどこも忙しそうで、親御さんは食物アレルギーの心配に対し答えてくれなかったと嘆いておられました。私も本当は十分忙しかったのですが、この患者さんには時間をかけなければならない、そう思いました。

病気には軽いものと重いものがあります。説明に大して時間がかからないケースと、じっくりかけなければならないケースもあります。特にアレルギーは慢性疾患なので、時間はかけない方がおかしいのです。もし本当に忙しくて対応ができないのならば、時間的余裕があるときに出直してもらえばいいだけのことです。そうしないので、患者さんは路頭に迷う結果となるのです。

「分からない」、「時間をかけられない」のであれば紹介状を書く、その時間もなければ、「どこどこに行くといいよ」と言ってあげる、それくらいのことはできるはずです。分からないことを「分からない」と正直に言える医師は本当に少ないと思います。これだけ医療が細分化され、専門性が深くなってくると、「分からない」と言わない方がおかしいと思うのです。

症状が良くならないと、当院を受診される患者さんが増えています。時間をかけて話を聞いてみると、診断名を告げられていないケースが多いし、繰り返し書いていますが、ぜんそくを“風邪”や“マイコプラズマ”、アトピーを“乳児湿疹”や“乾燥肌”と誤って診断されている患者さんが後を絶ちません。過小診断のため適切な治療に結びつかないのです。こんな患者さんは数えたことはありませんが、開院してから2000人はいることでしょう。

ぜんそくの大発作で入院の適応なのに1週間も続けて点滴に通わせる小児科もありますし、軽くないのに発作時にのみ治療している医師もいます。「食物負荷試験」を当院がやっているのをご存知なのに、未だにアレルギー検査で指導されている医院もあります。鼻が出ていると蓄膿症と診断し、頻繁に通院を指示している医院もあるし、ぜんそくを鼻が落ちて咳が続いていると指導するところもあります。

医学は、患者さんの命や健康がかかっていますので、“根拠”のあることを行わなければなりません。個別に電話をかけ乳児検診に誘い、昨日のように予防接種を多く集めたがる医院もあります。敢えて言いますけれど、小児科に限りませんが、混んでいる医院がいつも適切な医療をやっている訳ではなさそうです。

実際に開業してみて、病院勤務時代と違い、患者さんがいかに開業医を頼りにしているかがよく分かりました。病院の方が敷居が高いせいかもしれません。開業医こそが日頃から勉強し、良心的に医療を行わなければならないと思っています。開業医同士が専門分野を通して連携すれば、もっと地域医療は良くなると考えています。

ちなみに冒頭の「西宮冷凍」は地道な努力の結果、営業を再開して社長を始め社員が頑張っているところが番組の最後に放映されていました。私もいつも正しいことはできていないのだと思います。ただ、自分の限界を知りつつ、正直に、そして真面目に医療を行っていれば、周囲から認められるようになると信じています。