どの小児科でもそうでしょうが、ここ最近はとても忙しい。
土曜は大勢の患者さんの診療をやって、午後は季節性のインフルエンザのワクチンの接種。当院はアレルギーを専門に診療しており、風邪の患者を診るよりは多くの時間がかかりますし、かけなければ専門的な医療は行えないと思います。そんなスタイルで診療していると、平日はほんの少数しかワクチン接種ができないのです。本来なら休みの土曜の午後に、一人でも多くのかかりつけの患者さんに接種を済ませなければなりません。
たまたまですが、17日は上越市の休日診療所で16時から診療の予定が入っていました。間に合わなければ、一大事です。かろうじてワクチン接種を済ませ、21時まで途切れることのない救急患者さんの対応をしてきました。まさにヘロヘロです(涙)。
さて話は変わりますが、先週の金曜の午後に封書が届きました。当院は新型インフルエンザのワクチンを接種する「受託機関」として認められたようです。
先日も触れたように、妊婦と基礎疾患を持つ患者を優先的に接種するのが国の方針ですが、その方々には11月2日からスタートするようです。そして12月14日からはその次に優先される、1歳から小学低学年の子ども達の接種が始まります。日にちが決まった割には当院には詳しい情報は入ってきません。もう2週間しかないので、手紙の内容は当院に何本のワクチンが配分されるなどのある程度具体的な話が記されているのかと思っていました。
現場としては、ワクチンが何日に何人分届くかかが最も知りたいところです。当院の場合は、基礎疾患を持つ患者さんの割合が極めて多いため、接種が優先の予定通りなら11月は忙しく、12月はさほどでもなくなります。普通の小児科とは全く逆のパターンになるはずです。県は当院がどれだけ多くのぜんそく患者さんを診ているのか、知る由もないと思いますので、それをどう勘案し、優先的に配分してくれるのかも興味のあるところです。
期待を持って開けてみましたが、週に何人の接種希望者を受け入れ可能かという内容でした。確かに、各医療機関にはそれぞれ事情があるでしょうから、そういったやり取りも大切だと思います。ただ、国の方針が「ぜんそくなど基礎疾患を持つ患者を優先」と明言しているので、11月2日の接種開始に向けて当院にはそれなりに入荷してくれないと困ります。
熱などの時は他の医療機関にかかっても、ぜんそくだけは当院に定期的にかかって下さるお子さんも多いのです。他の医療機関ではぜんそくとは認識されていないケースもあり、当院でなければ優先されることを分かってもらえないと思います。最近は診察室で「まだなんですか」と頻繁に聞かれ、同じことを繰り返し説明しています。
当院は国や県から国策として新型ワクチンの接種を依頼されている形なので、ワクチンを配られたら接種を進めていくだけです。配分が少なくても文句は言えません。ただ、意見を言わせて頂くなら「ぜんそくなどの基礎疾患を持つ患者さんをどれくらい診ていますか?」という聞き方の方が適切だったと思っています。何人できるか?というのは、基礎疾患の有無を無視した聞き方になっているのではないかと思ってしまいました。
都会や北海道では大流行となっており、準備期間が足りないのは分かります。新潟県では1400件あまりの医療機関が接種することになっています。調整もすごく大変なのも分かります。ただ、繰り返しになりますが、基礎疾患を持つ患者さんを優先するという筋は通して欲しいと思っています。当院のようにぜんそくの患者さんの割合が極めて多い医療機関が11月2日から果たさなければならない役割はとても大きいし、多くの患者さんから期待もされていると感じています。
当院でもぜんそくを持っていて新型インフルエンザにかかったお子さんは何人かおります。これをお読みの方々もその子達がどうなったかを知りたいとお思いだと思います。
予想通りなのですが、日頃からキチンと治療しているお子さんや軽いぜんそくのお子さんはさほど悪化しないようです。症状が出やすい小さい子はゼーゼー言って、重めの発作を起こしています。これから流行が広まった場合、軽くないお子さんは要注意です。
この経験を踏まえ、当院ではまだ小さくて、専門的な治療をしているにもかかわらず、ゼーゼー言いやすいお子さんを最優先に接種していきたいと思っています。数日前にも書きましたが、発作を起こしたら点滴などの対応をされている患者さんは予防的治療をしていないので、重い発作を起こす可能性が高いです。当院で診ていない、こういった治療をされている患者さんも注意が必要でしょう。
どの医療機関も危惧しているのが、予約を始めたら受付が対処できずにパニックに陥ってしまうことでしょう。10月後半にさしかかる時点で、まだ予約を始めることができません。
予約を始めると、基礎疾患のないお子さんの希望者もかなり混じると思います。しかし、当院に分配されるワクチンが多いか少ないか分かりませんが、限られたワクチンの中で、重い発作を起こしそうなお子さんを当院の中でも最優先にさせて頂く考えには変わりがありません。お断りすべきはお断りするつもりです。ただし、ご希望の大抵のお子さんが基礎疾患のある子の次に優先されますので、延期というのが正しい表現かもしれません。
細かな方針が決まるまでは予約のスタートは遅れます。一層、予約開始後のパニックは避けられそうにはありませんが、国の決めた方針に従い、筋の通った接種をやっていこうと考えています。


