あっという間に第2回目の「すこやか健康フェア」が迫ってきました。
こんな田舎の開業医が、ありったけの力を込めてイベントを行うというのはちょっと違和感を覚える方もいらっしゃるでしょう。誰もこんなことはやっていないからです。
同業者からすれば、「患者集めをやってる」なんて見方をする方もいると思います。そういう考え方は淋しい限りです。
食物アレルギーは、卵、乳製品、小麦の順に多いですが、アレルギー検査の値が低くても症状が出たり、逆に高くても食べても何も起きないことがあります。1歳前に治ることもあるし、小学校に上がっても症状が出てしまう場合もあります。アレルゲンが1個だけのこともあれば、様々なものが食べられない子もいます。
「2歳になれば食べられる」と説明している小児科医もいますが、皆が皆2歳で治ってしまうのなら、2年間待っていれば良いので大した問題にはならないと思います。そもそも患者が10人いれば、10人とも違った経過を辿るのが食物アレルギーという病気なので、一律に語ること自体が正しくないのです。
個別に対応しなければならないのが、食物アレルギーの難しいところでしょう。また、アレルギー検査で卵の値が高いと「卵を食べると具合悪くなるから、食べないように」と指導しておいて、値が下がってくると「家で食べさせてみて。具合いが悪くなってもすぐに連れてこれる昼間に食べさせて。」と指導されることがほとんどだと思います。おどかしておいて、「じゃあ食べさせてみて」では患者さんは混乱すると思います。ましてや以前、蕁麻疹が体に広がって怖い思いをした場合は、お母さんがトラウマになっていて、なかなか食べさせられないものです。
「実際に食べさせてみて、判断するしか方法はありません。医院で少しずつ食べさせてみて、何かあったらすぐに対応しますよ。」というのが親御さんの心理も踏まえた正しい対応だと思います。
新潟県内に「食物負荷試験」をやる小児科医が増えてくれるのを祈るのみです。しかし、現実的には難しいと言わざるを得ません。何故かと言いますと、本を読んだくらいで簡単に身に付くものではないからです。
私は研修医時代から新潟県内の病院を回っていましたが、「食物負荷試験」自体を見たことがありませんでした。平成13年に福岡の専門病院に研修に行って初めて見た時に度肝を抜かれたのです。その時に、「この検査を新潟県に広めたい」と強く思いました。しかし、県内の小児科医のほとんどが「食物負荷試験」を見たことがないと思いますので、いきなりはできないのです。専門施設で研修でもしない限り、難しいと思っています。
いろいろと考えると、食物アレルギーに関しては“前途多難”ではあります。医師が頑張らなければならない部分も少なくありません。「食物負荷試験」はやらないにしても、完全除去を勧めるだけでなく、現在の食事状況をよく聞いて、食べられるものと食べられないものを区別してあげるくらいのことは、すぐにでもできることでしょう。
確率でものを語っても解決にはならず、個別にキチンと対応しなければ、その患者さんは救えません。しかし、そのくらいのことで食物アレルギーの患者さんの食生活は確実に変わってきます。
まずは今週末のイベントで困っている患者さんや対応に苦慮している園や学校関係者の方々に、「食物負荷試験」のやり方も含めて、基本的な知識を身につけて頂きたいと思っています。


