先日、茶碗蒸しを食べてすぐに蕁麻疹が出たお子さんが受診されました。
アレルギー検査の結果を持参されていましたが、近くの小児科で検査をしてもらったそうです。卵白がクラス4でしたので、卵白にアレルギーがあると言う説明だったようです。
卵は除去していたそうですが、つい最近のこと、卵黄を食べさせて口の周りが赤くなったため、心配になって当院を受診されました。今回食べたのは卵白でなく、卵黄だそうです。
本来なら近くの以前検査してもらった小児科に行くはずなのですが、「何で○○先生のところに行かなかったの?」と聞いてみたら、「○○先生は忙しそうだから」と言われました。「こう見えても、オレも忙しいんだけどね…」と突っ込みたくなりました(笑)。
私の心掛けていること、それは「親身になって相談に乗ること」です。小児科はどこに行っても2~3分の診察時間のところがほとんどだと思います。果たしてそれで充分な説明ができるでしょうか?。親身になれば、時間はかからないはずがありません。
今回のお母さんのお話を聞いて、「患者さんも結構医者に気を遣っているんだな」と思いました。でも私はそれを逆手に取っているつもりです。診療に時間をかける小児科は少ないため、逆に「あそこに行けば、話も聞いてもらえるし、説明もしてもらえる」ということを個性にしようと考えています。ましてや、食物アレルギーなら「食物負荷試験」までやっている専門医は新潟ではほとんどいないため、市内の食物アレルギーのお子さんの多くは当院で診ていると思います。
2回目のエピソードで、卵黄を炒めてお子さんに食べさせたそうです。普通の小児科なら「卵黄でもアレルギーを起こしたのだろう」と言うと思います。確かにそうかもしれません。しかし、当院は大勢の食物アレルギーの患者さんを診ています。卵黄で反応を起こすお子さんはあまり見ません。
では何故アレルギー症状が起きたのか?。ヒントは調理法にあります。お母さんの話を聞くと、鶏卵を割り卵の殻で黄身をあっちこっちと移して、白身と黄身を分離したそうです。その黄身を料理に使ったそうですが、それでは白身が混入しているはずです。
今回の症状を起こした犯人は、黄身に見えますが、黄身よりも白身の方がアレルギー反応は相当起こしやすいのです。白身が悪さをした可能性を考える方が現実的かなと思っています。
実はこの患者さん、カレイの煮付けを食べて、やはり口の周りが赤くなったそうです。これも表面的に捉えれば魚アレルギーと診断されてしまいます。しかし、醤油などが口の周りに付いて赤くなる、いわゆる醤油かぶれのようなものかもしれません。医学は科学なので、患者さんは勘違いすることもあるでしょうが、医師は常に冷静に判断しなければなりません。
診察時は忙しそうに見せずに、親身になって一緒に考え、冷静に分析する。これが慢性疾患に求められる診察スタイルだと私は思っています。


