小児科 すこやかアレルギークリニック

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お陰さまで
2009年09月07日 更新

当院が、新潟県の小児アレルギー医療のレベルアップを図りたいと開院させて頂いたのが平成19年の9月7日のことです。

そう、今日がちょうど2周年目ということになります。希望と不安を胸に船出してから、あっという間の2年だったと思います。

子どものアレルギーにこだわった診療所は新潟県には、ほとんど存在しませんでした。アレルギーは慢性の病気なので、いわゆる風邪や胃腸炎とは対等に扱われる病気ではないはずです。忙しい診療の中で、ぜんそくを“風邪”、アトピーを“乳児湿疹”と誤解されている子ども達が少なくないため、とにかくアレルギーで困っている子ども達を何とかしたいと考えていました。

当院の開院以来、アレルギーの患者さんがずっと9割以上をキープしています。正しく診断されていなかったお子さんは的確に診断されれば、当然正しい治療に導くことができ症状は改善します。

ぜんそく発作を起こせば点滴をするものと思っていたのに、予防治療することにより全く点滴を必要としなくなったり、正しくない軟膏の使い方で良くなり切らなかったアトピーの子がビックリするくらい皮膚が落ち着いたり、アレルギー検査だけで卵や乳製品の除去を指示されていたお子さんが、実は卵焼きや牛乳を問題なく摂取できたりと専門施設で学んできた知識が確実に地元上越に広がっていることを実感しています。

当院は派手な宣伝活動は一切やっていません。一人一人の患者さんに誠実に対応してきたつもりです。いまだに新患の患者さんには15~60分ほどの時間をかけて説明しています。こういうスタイルの診療をする小児科は、ほとんどなかったと思います。

開業医は、個人事業のため“経営”は大事な要素です。どの開業医も“効率”を多かれ少なかれ考えていると思います。日本の医療制度が数を診れば、収入が上がるシステムなので“効率”的に診療しなければなりません。

当院は、そういう意味では非効率的なことをやっている訳です。それでもお陰さまで2歳の誕生日を迎えることができました。

少しは子どものアレルギーの知識はあるつもりですから、時間をかけて説明すると、親御さんは私を信用して下さり、遠くても継続的に通院して下さいます。私としても、まだまだ学ぶことは多いですが、こだわって勉強していますので、同じ小児科医でも技術や知識の差が大きいことを理解して頂きたいと思います。

また恩師の教えの通り、患者さんから“逃げなかった”つもりです。分からないことが知ったかぶりをせずに「分からない」と言ってきました。自分の治療に責任を持ち、もし良くならなければ、日本の第一人者の先生に質問して、アドバイスを求めてきました。専門分野以外なら、私よりノウハウのある先生に紹介状を書いて、より良い対応をして頂くようにしてきました。

この辺りが2年間、当院が潰れなかった要因であろうと考えています。

先週、国民が日本の政治に変化を求めて政権交代が実現しました。個人的には政治だけでなく、日本の医療も変わらなければならない部分もあると思っています。

咳が出て小児科を受診すると“風邪”と診断されることが多いのですが、最初の段階では仕方のないことでしょう。しかし、症状を繰り返している=ぜんそくなどの慢性疾患を考えなければならないにも関わらず、「風邪を繰り返しているだけでしょう」と説明されているケースが案外と多いのです。

どの患者さんも一人当たり5分もかけていない医師もいるようですが、治らなければ尚更診察に時間をかけなければならないと思います。“効率”を重視することで見落としも出てくる可能性があります。スピーディに診察すれば、ぜんそくを見落としているにも関わらず、患者さんは何度も通院を余儀なくされ、しかし医院の収益は上がります。変な言い方になりますが、真面目にこだわって診療をやればやる程、経営面では不利になるのです。

以前も書きましたが、医師が良心的に正確な診療をしていることを前提にしたシステムなので、こんな矛盾が出てくるのだろうと思います。ただ、私にはこれをどうすることもできません。この辺りも私が最も力を入れている「食物負荷試験」が普及しない要因のひとつであろうと考えています。

新型インフルエンザに罹患すると、ぜんそくも含め慢性疾患を持つ患者は悪化するリスクが高いと言われています。ちょうど注目されている時期ですので、早急にアレルギーという慢性疾患をキチンと診れる医師が増える体制作りが待たれます。

真面目に的確なことをやっていれば、患者さん達の中にも見てくれている人は見てくれていることでしょう。今の私にできることは、今後も効率や経営に走るような医療はせず、今まで通りのスタイルで3周年、4周年を迎えていけるようにスタッフ一同努力していくことだと思っています。