2週間前に、アトピー性皮膚炎の高校生が当院を初めて受診されました。
一般的には、高校生でアトピーがあると皮膚科を受診すると思います。実はこの患者さんは市外から受診されています。実際、地元の皮膚科に通院し治療を受けていたそうです。
初診された時の皮膚はかなり悪い状況でした。往々にして普段処方されるステロイド軟膏に対して恐怖心があって、薬を塗っていない、もしくはかなり薄く塗っているのが原因だろうと考えていますが、この患者さんは一生懸命に治療を続けておりました。
顔は特に赤く、痒そうで、他人の目が気になる年代なだけに気の毒な状況でした。皮膚科の先生には皮膚科の先生のやり方があると思うのですが、私も専門施設で勉強してきて、毎年何度も学会に参加してより効率的な治療法を学んでいるつもりです。皮膚で起きている“炎症”をもう少しキッチリ叩く必要があると考えました。
最近は、子どもも大人もステロイド以外の軟膏が有効だとされています。「プロトピック軟膏」というのですが、この薬を是非とも使って欲しいと思いました。
アトピーは慢性の病気であるが故に、すぐには治りません。親御さんもついて来られたのですが、患者さんは高校生であり、自分の治療法はある程度自分で決めるのも手だろうと考え、本人にプロトピック軟膏に関する説明をしました。ご本人の答えは「是非とも使いたい」というものでした。親御さんも、私と会うのは初めてなのですが、「先生がそういうのなら、使ってみたい」とおっしゃって下さいました。
これまで多くのアトピー性皮膚炎の患者さんの治療をさせて頂いてきて、過去の他院での治療の話を伺うと2つのポイントがあると考えています。
まず、小児科、皮膚科ともに圧倒的に説明が足りないということでしょう。この年代の患者さんは親御さんがステロイドに抵抗を保っている方がほとんどです。まずは治療の足を引っ張るステロイドに対する不安を取り除く必要があります。
そして二つ目は、「絶対に治したいんだ」という気持ちを患者さんに示していないように感じています。当院に来られる患者さんの場合、明らかにプロトピックの適応だと思うのに、使われていないケースがほとんどです。今回の患者さんのように、「これまで使ったことはないが有効であろう薬がある」と言われれば、ほとんどの患者さんが飛びつくのだろうと思います。
プロトピック軟膏は、皮膚の悪い状況で使用すると火照り等の副作用が出てしまいます。ステロイドでかなり改善させてから、プロトピックに移行するのがお薦めの使い方です。初診から1週間後に再診して頂きましたが、1週間で赤みと痒みが減り、患者さんもこれまでにない手応えを感じてくれていました。
そして顔に関してはプロトピックに移行しました。夏休みということもあり、この休暇のうちに良くしておきたいという考えを持っていたので、また1週間後に再診して頂きました。
結果は、テレビでやっている「劇的ビフォーアフター」ではないですが、初診の2週間前の“ビフォー”と先日受診された時(治療2週間後)の“アフター”を写真を見比べて頂きたいくらい劇的に改善していました。一見してアトピーという気の毒な状況が驚く程一変していました。本人も親御さんも本当に嬉しそうでした。
小児科や皮膚科に通ってもアトピーの改善が思わしくないと感じていらっしゃるのでしたら、ご相談頂きたいと思っています。私の技術が役立つのなら、是非とも利用して頂きたいと思っています。
別の患者さんで、この方はまだ赤ちゃんなのですが、小児科に通っていてなかなか顔の皮疹が良くなりませんでした。当院に来られてから、皮膚もかなり安定していますが、それを感じた園の先生がお母さんに「○○君、皮膚が良いようだけど、どうしたの?」と質問されたそうです。お母さんはあっさりと「医者を変えたの」と答えたそうですが、園の先生の反応は「あー、やっぱりね」だったそうです。
敢えて言わせて頂きますが、「医者ならどこへ行っても変わらない」と思っていらっしゃるなら、それは正しくありません。こだわって勉強していれば、そうしていない先生に比べれば差があるのは当たり前のことでしょう?。あとは絶対に何とかしたいという気持ちがあれば、ほとんどの患者さんは何とかできるのではないかと思っています。言い換えれば、患者さんの症状から逃げずに立ち向かうこということだろうと思います。
私自身は決して強い治療をしている訳ではなく、標準的な治療をしているつもりです。“標準的”な治療がもっと普及すればいいのですが、なかなかそうはいかないようです。
子ども達の楽しい夏休みももう折り返し地点の頃でしょうか?。夏休みの受診しやすい時期にアトピーの思わしくないお子さんは是非とも受診して頂きたいと思います。高校生でも構わないと思っています。まず、何故良くならないのかを考え、それを突破口として何とか皮膚症状を改善させたいと思っています。


