小児科 すこやかアレルギークリニック

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アメリカのぜんそく患者さん
2009年08月06日 更新

アメリカ在住のお子さんが上越に戻ってきていて、最近ぜんそくの調子が悪いからと当院を受診されました。

当院に来られたのは祖母の勧めだったそうですが、話を伺うとぜんそくの治療不足が原因ではないかと思われました。

アメリカでは医療のシステムが日本よりは整っています。まず「かかりつけ医」がいて、例えばぜんそくの治療がうまくいかないと「アレルギー専門医」に紹介するシステムになっています。かかりつけ医が良心的に専門医と連係を取っているので、患者さんは安心して医療を受けられるのだと思います。

ここで日本の体制を振り返ってみると、かかりつけ医が何でもやるようになっています。一人の医者が対応しきれれば問題ないのですが、専門医に相談しなければいけないようなケースでも診ていて、過小治療が繰り返されている患者さんは少なくなく、患者さんもそれを仕方ないものと思っており、そこを何とかしなければ日本の医療はよくならない、アメリカを見習って欲しいものだと思っています。

その進んだシステムを持つはずのアメリカで治療不足とはこれいかに?と思ったのですが、お母さんと話し込んで理由は分かりました。「かかりつけ医」で診てもらっていて、その後「アレルギー専門医」にかかるようになるのですが、ご年配の方だったようで引退されてしまったのだそうです。

シングレアという私もよく使うぜんそくの薬を使っていたのですが、最近は近くの「かかりつけ医」でシングレアだけもらうような状況だったそうです。アメリカは日本よりもぜんそく治療に吸入ステロイドを処方する国だと認識しています。親御さんの話を聞いた時に「何で吸入ステロイドが使われていないんだろう?」と思っていたので、それで理解できました。

ここ最近は専門的知識のある医師が対応していなかったので、治療不足になっていたのではないかと思われました。患者さんの生活の主体がアメリカなので、向こうで専門医に診てもらうべきでしょうと説明しました。「専門医は近くにいないんですよね」と言われていましたが、「かかりつけ医」で薬をもらうだけでは何も変わらず、それでは日本と同じになってしまいます。逆に悪化させてしまう可能性もあります。親御さんも「専門医を探してみます」とおっしゃってくれました。

きっとアメリカでは日本よりも専門医を探しやすいのだろうと思っています。というか日本が探すのが困難というべきでしょう。と言いますのは、日本ではアレルギーの専門的な勉強をしていなくても「アレルギー科」を標榜することを許されているからです。大きな声では言えませんが、名乗るのにふさわしくないと思われる医師がいるのも事実です。

医療において、日本は日本のいいところがあるのも事実でしょう。しかし、アメリカのいいところも取り入れる努力をしなければ、救われない患者さんも決して少なくないのだろうと思っています。