小児科 すこやかアレルギークリニック

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越境で食物負荷試験
2009年08月05日 更新

夏休みは「食物負荷試験」のために当院を受診される患者さんが多く、新潟市や長岡市からもいらっしゃっています。

いくつもの総合病院や開業医を通り過ぎて、当院を目指して下さるのを光栄なことです。しかし、それは同時に新潟県に「食物負荷試験」を行う施設が少ないことを意味しています。

残念ながら、これは新潟県だけの問題ではないようです。先日、かかりつけ医から禁止されている食品を食べさせてくれる小児科医がいるらしいと県外から患者さんが受診されました。私の言うことをよく理解して下さり、先日2回目の受診をされました。それは「食物負荷試験」を行うためです。

その患者さんは、前主治医から卵と乳製品と小麦、大豆製品を完全に除去するよう指示されていました。いつも言っている通り、同じ小児科医と言っても、専門医と非専門医では知識の差は歴然です。当院に来られた患者さんは「今までとは全然違います!」とその差にビックリされることが多いのです。

この患者さんの場合も、敢えて言わせて頂きますが、正しくない除去が指示されていました。これまでの経過や結果を聞いただけで、明らかにオーバーで、結果として親御さんを苦しめる除去がなされていました。前主治医の先生はそれに気付いていないでしょうから、頼られたからには、必要最小限の除去になるように食生活を考え直さないといけません。

大豆は食べられるであろうことは分かったのですが、親御さんにそう伝えても、今までの流れでいきなり家で食べさせてみるのはちょっと抵抗があるでしょう。ということで、豆腐の負荷試験を行ったのです。

結果は、予想通りアレルギー症状は誘発されませんでした。親御さんは「今までの除去は何だったんだろう?」っておっしゃっていました。2回目の受診で、除去すべき食品が1種類減ったのです。親御さんの食事に関するストレスを幾分軽減できたのだろうと思っています。ただし、卵や乳については強敵そうですから、丁寧に考えながら対応しようと思っています。

次の目標は小麦が食べられるかどうかですが、小麦はパンやうどんなど麺類の原料でもあります。食物アレルギーの患者さんをみていると、小麦の除去の有無で日々の食事が大変さの度合いが大きく変わるように思っています。小麦の負荷試験をして何ともなければ、今後の食生活が格段に楽になるだろうと思っています。もちろん最終目標はすべてのアレルゲンの解除ではあります。

食物アレルギーの専門医が極めて少ないので、私としてはとてもやり甲斐があります。そして患者さんにバリバリ感情移入してしまいます。負荷試験が上手くいけばともに喜び、ダメだったら励ましています。

全国の小児科医が「食物負荷試験」の重要性を認識し、「どうせ大きくなれば治る」といった暢気な認識を捨て、専門医に紹介して積極的に無駄な除去をなくし、ひいては親御さんや園・学校関係者の負担を減らすようなシステムが整って欲しいと思います。