昨日、当院かかりつけの食物アレルギーのお子さんを持つお母さんからメールがありました。
「「食物負荷試験」の予約を取ろうと思ったら、8月下旬しか予約が取れず、ニーズがすごいんですね」と書いてありました。
午前中の外来診察の間に負荷の進行状況をチェックに行っているので、何度も診療が中断される格好です。ですから、一日に何人もできないのが現状です。少し前の時点で8月末まで予約が一杯だったので、枠を1人増やしたのですが、それでもこの有り様です。
当院は上越市の中で、最も知名度の低い小児科なのに、開院以来ずっと「食物負荷試験」をしなければまともな判断ができないと繰り返してきました。昨年よりは明らかな検査希望者の多さに、正しい食物アレルギー医療の普及に手応えを感じています。地元のメディアに訴え、もっと知名度を上げなければならないのかなとも考えています。
ご存知のように、アレルギー検査はクラス0~6までの7段階があります。2以上を陽性と判断していますが、2以上=完全除去と信じている小児科医があまりにも多いのです。敢えて言わせて頂くと、医師によって病気が作られている場合も多いのです。
どういうことかと言いますと、ベースにアレルギー体質があり、牛乳を飲んでいるにもかかわらず、たまたま調べたアレルギー検査でミルクが2だったりすることが分かると、「乳製品を除去した方がいい」なんて指導する小児科医もいます。この場合、ミルクアレルギーという病気が作られ、親御さんはしなくてもいい除去を強いられるのです。つまり、子どもの健康を守るのが仕事の小児科医によって、親子で苦境にさらされることすらあります。
先日、卵アレルギーのお子さんに「食物負荷試験」を行いました。アレルギー検査はクラス4であり、ほとんどの小児科医が卵の完全除去を指導するはずです。
卵焼きやゆで卵で負荷試験をやるのは、強いアレルギー症状を起こす可能性が高いと判断し、カステラを負荷してみようと考えたのですが、全く食べてくれません。本人が食べてくれないことには始まらないので、昨日の話ではないですがリベンジということで、卵焼きを使って負荷試験をすることにしました。
「食物負荷試験」は数百回やっていますので、新潟県では一番経験が多いのではないかと思っていますが、さすがにこちらも緊張します。ほんの少量から負荷を始めると、意外と何も起きません。少しずつ増やしても、やはり何も起きません。途中で飽きてしまいましたが、結局鶏卵1個の3/4を食べてもアレルギー症状は誘発されませんでした。
これくらいの量を食べられれば、お菓子も練り製品のつなぎに卵を使用しているもの、やはりハンバーグのつなぎに卵を使っているもの、ちょっとした卵料理まで日常的に使用できるのではないかと考えています。
卵の値がクラス4でも卵料理を食べられるケースがあるという話ですが、普通ならアレルギー検査が0とか1に下がるのを待って、「自宅で少しずつ食べさせてみなさい」と指導されるケースです。当院で診ていなければ、1~2年先まで卵を完全除去を指導されていたことでしょう。卵の除去なら栄養障害を起こすことはないでしょうが、更に1~2年の除去を続けるとなると、親御さんの心労は計り知れません。
小児科医は、患者を苦しめるような病気を作ってはなりません。なるべく食べられるように指導してあげなければなりません。かといって素人の患者さんに「自宅で食べさせて」は禁句です。
困っている患者さんがいれば、「食物負荷試験」の枠は更に広げても構わないと考えています。地元に「食物負荷試験」を更に広め、無駄な努力を強いられている患者さんを一人でも多く減らしたいと思っています。


