少し前ですが、市の1歳半健診に行った時のことです。
1歳半健診は、順調に育っているかどうかを確認するためのチェック機構だと私は捉えています。もうひとつ重視している点があります。それはこれまでにかかった病気です。
よく見ていると、「風邪」や「突発性発疹」、「水痘」などと書いてあります。先日は「中耳炎(5回)」なんて書いてあり、「そんなに繰り返しているの?。耐性菌が悪さしているのかな?。」って思ってしまいました。
私の専門はアレルギーですから、「気管支炎」、「ぜんそく性気管支炎」という文字に敏感に反応してしまいます。
小児ぜんそくは0歳や1歳でも発症することは少なくありません。しかし、専門医でないと「気管支炎」や「ぜんそく性気管支炎」、「マイコプラズマ」と診断されていることも少なくありません。明らかにぜんそくがあると思われる場合は、「ぜんそくが隠れているかもしれないよ」とやんわりと言うこともあります。
ちょうど梅雨時の寒暖の差のせいか、ゼーゼーを繰り返していて、「小児科に通院してもよくならない」と相談されました。かかりつけでは「風邪」と言われていて、風邪薬が出されていました。いつも言っている通り、ゼーゼーを繰り返し、どんどん重症化する赤ちゃんもいます。過小診断、過小治療は避けなければならないのです。
こういうお子さんこそ、当院で診るべきだろうと思うのですが、市の健診では特定の医療機関に誘導することはできないのです。昨日の話のように、即座にぜんそくで、「軽症持続型」と診断できたので、治療法も頭に浮かんだのですが、「ぜんそくはあるでしょうから、かかりつけの先生からよく診てもらってください」としか言えませんでした。
今も「あの子はゼーゼーを繰り返していないだろうか?。ちゃんと治療してもらっているだろうか?。」と気になっています。
小児科医には、アレルギーならアレルギー、神経なら神経、腎臓病なら腎臓病と専門家がいます。専門でない先生と専門医の間には知識に大きな差があります。それは“好きこそものの上手なれ”ですから、その差はいかんともし難いと思います。症状が落ち着かずに困っている患者さんは、乳児健診でピックアップされ、専門医に辿り着けるようなシステムが構築されるといいなと思っています。


