小児科 すこやかアレルギークリニック

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長い道のり
2009年07月18日 更新

当院は、開院して2周年が近づいてきています。

地元の上越、ひいては新潟県のアレルギー医療のレベルアップのために、私が福岡の専門病院で学んできたことが少しでも役立てればという一心で自分なりに頑張ってきたつもりです。

周囲にも少しは影響があったように思います。“風邪”とばかり診断されていたケースがぜんそく性気管支炎やぜんそくと診断されるようになったり、テオドールからプランルカストなど最近の薬を処方し始めたりしているようです。吸入ステロイドの処方も全体的に増えてきたようです。

患者さん自身も当院がアレルギー専門だと知り、問題意識を持って当院を受診して、私の説明に耳を傾けて下さったりする方も相当増えてきています。そのまま、定期的に通院され、積極的に発作を起こさない“攻め”の予防的治療を行っている患者さんもいらっしゃいます。勝手な私の妄想かもしれませんが、地元の小児ぜんそく治療も少しレベルアップしているように感じています。

先日、咳が続く赤ちゃんが当院を受診されました。当院では、ご家族のアレルギーの有無を問診時に伺っています。上のお子さんがある小児科で「フルタイド」という薬を継続的に使っているそうです。

「フルタイド」はぜんそくの治療薬であり、軽症の患者さんには使いません。お母さんに「お兄ちゃんはぜんそくあるんですか?」と聞いてみたら、「ぜんそくとは言われていません」と言われました。「ぜんそくっぽいので、ぜんそくにならないように使っている」とのこと。

いつも言っている通り、ぜんそくは5割しか治らないと言われています。まず親御さんが、自分のお子さんにぜんそくがあることを認識しなければなりません。このお子さんはかなりの頻度で発作がありました。間違いなく、ぜんそくであり、決して軽くありませんでした。敵がハッキリ見えなければ、親御さんも努力のしようがないと思うのです。

しかも、ある程度の期間治療して症状が落ち着いていたので、フルタイドを減量し始めたら、症状が悪化したそうです。すぐに増量せざると得なかったのです。この話で予想するに、お兄さんはぜんそくが重く、治療がまだ足りていなかったが故にじきに悪化したのだろうと思われました。

今回受診された赤ちゃんもぜんそくになる可能性が高かったため、赤ちゃんの説明をするためにもお兄ちゃんの病状をしっかりと理解して頂く必要がありました。そこでいつも通り、ぜんそくの「ガイドライン」を片手に説明を始めました。

私は、親御さんはお子さんの病気の状況を正確に把握する必要というか義務があると考えています。「ぜんそくっぽい」どころではなく、決して軽くはなく、大人に持ち越す可能性が充分あるとさえ考えました。きっと今後はぜんそくの克服のために、より入念に治療に取り組んで頂けるであろうと思っています。

小学校に上がっても発作を繰り返す場合は、専門医に紹介して欲しいと思います。ほとんどが治療不足のなのです。そのまま、大人のぜんそくに移行する確率は跳ね上がると思います。

先日来られた新患の患者さんも別の小児科で喘息を治療されていましたが、「大きくなれば治る」と説明されていました。しかし、発作を繰り返しており、決して楽観できない状況でした。

個人的には医師も患者さんも、ぜんそくは治りにくいものだと認識して頂きたいと思っています。決して甘く見るべきではありません。その事実を地道に伝えて行かなければならないと考えています。私の目的を達成するには、道のりがまだまだ長いなーと実感しています。