小児科 すこやかアレルギークリニック

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「諦めないで」
2009年06月27日 更新

当院は小児アレルギー医療にこだわっています。

当院の医療が最高かと言えば、日本の第一人者の先生方は、私よりももっと高度な医療をやっておられます。つまり上には上がある訳です。ということは、えげつない言い方になってしまうかもしれませんが、下には下がいるということになります。

医師は信用商売ですので、各医師が自分の能力の中で治療しています。学会に真面目に参加していると、自分の能力はまだまだだと思い知らされます。「もっと勉強して、もっとレベルの高い医療を提供したい」と思います。

学会に参加していないと、自分の“位置”が分からなくなってしまうのだろうと思います。つまり、自分を信頼して受診してくれる患者さんに古い昔の医療しか提供できない可能性が出てきます。これは医師として、是が非でも避けなければなりません。

先日受診された患者さんは、ある小児科に1年以上通っていました。

アトピー性皮膚炎でしたが、そう診断されておらず、ステロイドが処方されていました。手首はなかなか良くならないために、薬がエスカレートしマイザーというかなり強いステロイドが使われていました。ステロイドやスキンケアの説明も充分とは言えない状況でした。

食物アレルギーも、アレルギー検査はしてありましたが、何を食べられ何を食べられないかも曖昧で、お母さんがどう食事を進めていいか分からずに、困り果てた状況でした。

ぜんそくもあって、ゼーゼーを繰り返していました。ロイコトリエン受容体拮抗薬は有効な薬なのですが、実はそれ以上にぜんそくが重かったので、更に治療を強化する必要がありました。

私もアレルギー専門医の端くれ。困っている患者さんをみると、自分が何とかしなければと考えます。

一人にそんなに時間をかけられない、公平性に欠けると言う開業の医師もいるようですが、重症で指導に時間がかかる患者さんには時間をかける必要があるのです。そんな理由は通用しません。アレルギーで、重症の上にいくも病気を持っている患者さんが適切な指導をされずに、適切な治療を受けられずに、いろんな医療機関を転々とし、医療に不信感を増していくのはよくある話だと思います。こういう患者さんには「医療も捨てたものではない」と思って頂けるように、気合いで対応しているつもりです。

重症な患者さんを診ていると、前の主治医が治療してよくならない理由はだいたい分かるつもりです。アトピーは見落としがあったからで、マイザーという強い薬は使わなくても対処できると思いました。スキンケアも有効な治療法なので、それも継続的に行うようお勧めしました。食物アレルギーは、皮膚症状が落ち着いたら「食物負荷試験」で何が食べられるかシロクロをつけましょうとお話ししました。ぜんそくは治療をステップアップし、吸入ステロイドを追加しました。

初診から2週間経って、再診して頂きました。アトピーもぜんそくもかなり改善していました。今の治療を進めていけば、症状が安定する目処が立ったと感じられたようです。お母さんもニコニコ顔で、これまで1年通院しても良くならなかったことに対し「この1年は何だったんだろう?」とおっしゃっていました。この言葉は、医師にとって実に重いことを知って頂きたいと思っています。

このように書いているのは、自分の自慢をしたい訳ではありません。患者さんは主治医を信頼して通院治療されている訳ですが、医師が変わると、アレルギー専門医が担当すると驚く程症状が改善することもあるのです。いや、少なくないのです。

アトピーと診断されずに皮膚が悪い状況で、掻き壊すことを繰り返したり、ぜんそくでゼーゼーいって母子ともに夜も眠れず、通院や入退院を繰り返しているのだとしたら、治療不足の可能性が極めて高いのです。お子さんの症状が低空飛行であることを「仕方のないこと」だと諦めて欲しくありません。どの患者さんも「ガイドライン」に沿った適切な医療を受ける権利があるのです。

敢えて言わせて頂きますが、当院に来られる患者さんのほとんどが紹介状を持ってきません。つまり、前の主治医に内緒で受診されるケースがほとんどです。そして、大抵の患者さんがそのまま当院に通院されていると思っています。親御さんにしてみれば、よく説明してくれて、お子さんに納得のいく治療をしてくれる医師に治療を託したいと思うのは当然だと思います。

世の中には、他にも専門医が対応すべき患者さんは大勢いらっしゃると思います。そういう親御さんには「諦めないで!」と声を大にして言いたいと思っています。