小児科 すこやかアレルギークリニック

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「何だったんだろう」
2009年06月10日 更新

先日、親御さんから「“これまでのは何だったんだろう”ってホントに思います」と言われました。

最近は、巷でも感染症の患者さんも減ってきたため、当院でも少し余裕を持った診療ができるようになったと感じています。4月から「食物負荷試験」も再開し、患者さんにどこまで食べられるかを明らかにしています。

この春に、ある小児科で「卵を一切除去するように」と指導されていた患者さんが真の答えを求めて、当院を受診されました。上越市内の幼稚園や保育園の間で、当院を受診すれば食物アレルギーの専門的な医療を受けられるというウワサが流れているようで、いつまでも除去し続ける必要があるのかと疑問を持った親御さんが、シロクロを付けたいと考えられたようです。

卵白はクラス2でしたが、完全除去が必要かどうかは疑わしい状況でした。そこで「食物負荷試験」の説明をした訳ですが、「そんないい方法があるのなら、是非受けたい」と先日「食物負荷試験」を実施したのです。

完全除去といわれながら、若干卵の含む食品は摂っていたようですので、卵そのものを食べられるのかどうかシロクロを付けなければならないと思いました。負荷材料は卵焼きを用意して頂きました。Mサイズの鶏卵1個を用いた卵焼きです。ゆで卵が基本なのでしょうが、子どもは味を整えた方が食べやすいので、当院では卵焼きを用いています。

その卵焼きを何分の1かずつを分割して食べさせるのですが、患者さんによっては途中で蕁麻疹が出たり、ゼーゼーいって咳き込んだり、嘔吐が見られたりします。もちろんその時点で負荷試験は中止となります。しかし、このお子さんの場合は万全の横綱相撲といいますか、全く症状もなくあっさりとクリアしました。

あまりのあっさりした負荷試験に、お母さんの率直な印象が冒頭の言葉でした。前の主治医から食べてアレルギー症状を起こすから卵製品は食べないように指示されていましたので、お母さんはそれを信じ、その指示を守ってきました。しかしお母さんの目の前で、心配をよそにこれまでの敵(?)である卵焼きを完食してしまったのです。

今までの指導は一体なんだったんだろう、という気持ちは出てきて当然でしょう。これは誰にも分からないことですが、アレルギー検査が陽性でも食べても何ともないケースもありますので、そもそも除去する必要がなかったのかもしれないし、検査の前日にようやく食べられるようになっただけかもしれません。

ただ言えることは、無駄な除去を続けるのはお子さんにとっても意味のないことですし、親御さんは園に通っているなら園の調理師さんに無駄な労力を使わせてしまいます。つまり患者さんや周囲に多大な迷惑をかけてしまうのです。ですから、私は「食物負荷試験」にこだわっています。

情熱を込めて「食物負荷試験」の説明をし、実際に食べられると、患者さんは私をとても信頼して下さるようになります。そのまま“小児科医”として信用して、風邪などでも頼ってくれるケースも多々あります。医師として、一人でも多くの患者さんから信用して欲しいし、正しい医療を受けて欲しいと願っています。