小児科 すこやかアレルギークリニック

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アレルギー用ミルクは必要?
2009年06月05日 更新

ミルクアレルギーには軽症から重症まであります。

アレルギー検査だけで除去が必要かどうかを判断するのは相当に無理があり、患者さんに無駄な時間や労力を強いることになります。賢明な判断とは言えません。

私も福岡の専門病院で勉強させて頂くまでは、正直言ってよく分かっていませんでした。それまでの中途半端な対応を反省し、これからは食物アレルギーのプロとして無駄な除去をさせない医療をやっていこうと決心しました。

食物アレルギーといえば、子どもの患者が多く、ほとんどが小児科医が対応していると思います。いつも言っている通り、食物アレルギーの専門医は広大な新潟県内でも数える程です。周囲にはいませんので、私が頑張らなければならないと思います。

近隣の先生は、難しいと思えば患者さんのために無理をすべきではないと思うし、早めに紹介して欲しいと思っています。市内のほとんどの幼稚園や保育園の先生方が当院が食物アレルギーを専門的にやっているのはご存知だと思うので、園の先生のアドバイスで当院を受診されるケースもかなり増えています。食物アレルギーの正しい医療の仕方が上越地方にも確実に広まっています。

先日受診された患者さんは、ある小児科にかかっていましたが、対応に疑問を感じたため当院を受診されました。

以前のことを聞くと、明らかにアトピー性皮膚炎があるのにアトピーとは診断されていませんでした。アレルギー検査をしてミルクが陽性だったそうですが、ミルフィーHPというアレルギー用ミルクを使うように言われたそうです。以前も書きましたが、アレルギー用ミルクは高いし、味も普通ミルクよりは劣ります。本当に普通ミルクでアレルギー症状が誘発され、飲み続けることができないお子さんに勧めるべきです。

ミルクのアレルギー検査が高いだけでは、普通ミルクを避ける根拠にはなりません。EBM(医学的根拠)に沿っていないのです。アトピーの患者さんはただでさえ皮膚がかゆいのに、皮膚を掻くからミルクを悪者にするのも根拠はないと言っていいでしょう。

1歳半になって、アレルギー検査が陽性なのに「1歳半なったから、もうミルクを飲ませいてよい」と言われたそうです。1歳半でみなミルクアレルギーが治ってしまうなんてことは有り得ません。当然、重症なら小学校に上がっても牛乳は飲めないし、1歳半に満たなくても大丈夫な子もいます。

こういう患者さんを診るたびにガッカリするし、何で紹介してくれないのだろうと思います。結局、患者さん自身も食物アレルギーに関しての医師の対応に疑問を感じてしまい、当院を受診されるというケースが多いのが現状です。

私の経験から言わせて頂くと、食物アレルギーは医学書を読んだくらいでは対応は無理です。専門医から丁寧に指導を受けて、ようやくそれなりの対応ができるようになります。アレルギーのプロは「食物負荷試験」をして本当にミルクの除去が必要か考えますし、またアレルギー用のミルクも何種類かありますので、ミルクアレルギーの重症度から考えて使い分けています。必要のない除去は最小限に食い止めようとしています。

私自身、まだ勉強中で発展途上と言えます。しかし、専門でない先生よりは専門的知識や技術は持っているつもりです。「誰が診ても同じ」と思っているのか、紹介したくないのかよく分かりませんが、患者さんのことを一番に考えた対応が求められているのだと思っています。

やはり愛情を持って患者さんに接するべきだし、そうすることで患者さんから本当の信用が得られるのだと考えています。